2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15320006
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
服部 裕幸 南山大学, 人文学部, 教授 (40110754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美濃 正 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70181964)
大沢 秀介 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (50233094)
横山 輝雄 南山大学, 人文学部, 教授 (80148303)
柴田 正良 金沢大学, 文学部, 教授 (20201543)
戸田山 和久 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (90217513)
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Keywords | 帰納主義 / 主観的確率 / ベイズ流統計的推論 / ダッチブック論証 / 人間原理 / 終末論法 / 自己選択原理 / 統計的リアリティ |
Research Abstract |
本研究の目的は確率論的推論や統計的推論によって得られる結論が何を意味するか、ということを解明するところにある。3年計画の研究のうちの2年目にあたる今年は、歴史的観点からの研究については、古代における確率論的議論の実態の研究に取り組んだが、大きな成果を得るまでには至らなかったので、来年度、引き続き研究することにした。確率論的推論の本性は何かということの研究では、多数の事例を扱う問題と個別的、単一の事例を扱う問題とで、その解釈を変えることがありうることを示した。ベイズ主義的推論の医療への適用については、それがかなり現実的な有効性をもつことが明らかとなった。理論的観点からの研究としては、ベイズ主義的推論の正当化の問題の解決に取り組み、ダッチブック論証の補強において多少の前進を見た。また、前年度からの課題である、宇宙論における人間原理的推論や終末論法については、依然として問題をはらんだ推論であることが確認されたものの、どのステップが問題か、ということはまだ十分に絞りきれてはおらず、さらに研究する必要のあることが判明した。 今年度は定例の研究会のほかに、5月に菅沼聡氏を、7月には佐野勝彦氏、G. Priest氏を講師に招き、特別の研究会をも開いた。また、9月には、ベイズ主義についてのフォーラムを開催し、ベイズ主義的推論の正当化に関する理論的問題を解明することも試みた。12月にはD. Gillies氏を講師に招いて、ベイズ主義的推論の医療の場面への応用について研究した。また、京都大学のPaSTA研究会と共催で研究集会を開催した。1月には石垣寿郎氏を招いて、確率言明の傾向性解釈についての研究をおこなった。その結果として、確率言明の傾向性解釈がベイズ主義と両立可能であることが判明した。
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Research Products
(14 results)