2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15320018
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
池田 忍 千葉大学, 大学院人文社会科学研究科, 助教授 (90272286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬渕 明子 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (30114656)
小勝 禮子 栃木県立美術館, 特別研究員 (80370865)
天野 知香 お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 助教授 (20282890)
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Keywords | 美術史 / ジェンダー / 美術教育 / 女性美術家 / 展覧会 / 美術批評 / 表象 / 芸術 |
Research Abstract |
1.研究会と関連テーマによる展覧会の開催 本年度は、最終年度のまとめとして、収集資料の整理を分担して進めた。研究会は1月6日(土)にお茶の水女子大学を会場として開催し、これまでの研究成果に関する総括的な議論、および20世紀後半の女性美術家の活動の拡大と評価の問題について、光田由里氏(「現代美術という領域-合田佐和子の発表メディアをめぐって」)金惠信氏(「朴峽賢とその作品世界」)の報告を中心に討議をおこなった。また研究協力者の由本みどり氏はアメリカ合衆国において女性美術家Elizabeth Catlettの展覧会を企画・開催し、ラワンチャイクン寿子氏は、「台湾の女性日本画家生誕100年記念 陳進展」および「日本時代の台湾絵画-見出された郷土」を企画(共同)・開催した。 2.研究報告書の刊行 四年間に及ぶ研究活動のまとめとして成果報告書を刊行した。全15本の論文(研究ノートを含む)と一昨年栃木県立美術館で開催された「前衛の女性 1950-75」展に関連し、分担者小勝禮子および協力者が複数報告をおこなったシンポジウムの記録を掲載した。19世紀半ばから今日にいたる女術家の表現活動には、「美術」の境界を揺るがすさまざまな実践があったこと。女性による作品に対する「批評」や「評価」の問題、市場への参入経路など社会的・経済的観点からの議論を、深めることができた。女性像に関しては、ジェンダー、セクシュアリティの視点、国家や地域が模索するアイデンティティの形成過程とのかかわりを探究している。報告書所収の論文および記録類は、近代世界におけるグローバルな価値観の形成、帝国と植民地をめぐる権力関係の構築と駆動に、女性表象が用いられた様相を浮かび上がらせるために、研究対象とする美術家の出身地や活動場所にかかわらず、おおよその時期を目安に編年で配列した。
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Research Products
(9 results)