2004 Fiscal Year Annual Research Report
藝道思想の現代的意義について-日本的展開を焦点として-
Project/Area Number |
15320023
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
青木 孝夫 広島大学, 総合科学部, 助教授 (40192455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 正幸 広島大学, 総合科学部, 教授 (10092305)
樋口 聡 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (30173157)
桑島 秀樹 広島大学, 総合科学部, 助教授 (30379896)
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Keywords | 芸道 / 日本の美学 / 近代藝術観 / 日本的美意識 / 東洋的身心論 |
Research Abstract |
青木は日本の美学思想の成立経緯を中国や西欧思想の受容と変容という場面で検討し、関連する科研で論文や報告書をまとめ、本科研の基礎を固めた。次いで西欧の影響下での身心文化の変貌を「能楽」を例に解明し、美的国民性に関し研究した。更に現代社会に於ける身心的実践の意義付けの試みとして、韓国で消費社会に於ける芸術陶冶論を発表し著した。またアジアの神話と芸術に関する講演を台湾国立芸術学院で行った。原も同じく台湾国立芸術学院を訪れて、中国の音楽・舞踊論にっいて意見交換をし、また東北大学等で伝統的音楽観を発掘する研究・資料調査を行った。樋口はドイツを訪れ、研究発表・意見交換し、また「美学とスポーツ」「美学の変容」などの論文を通し、身心を核とする美学の変容を扱った。更に新規のメンバーとして桑島を加え、文化「後進国」に於ける美学の受容や芸術の近代化をめぐり、日本とトルコの比較研究を行った。 四者で共同して身心文化の近代化の問題並びに植民地主義と絡む美意識上の帝国主義を扱い、昨年来の課題である東洋的身心論を軸に「美学のパラダイム転換」に関し研究を推進した。このように各自、旅費は招待や自弁などで賄いつつ、国内外で活発に研究交流を展開した。 弓道の国際化に関し角谷昌則(東京大学教育学研究員)、中国の伝統的美的教育に関し杜衛(浙江師範大学教授)、日欧の比較芸術観に関しG.Cipriarni(イギリス中央学院大学講師)、藤田治彦(大阪大学教授)らを招き、共同で研究した。2004年8月、日韓美学研究会と、合同研究会を広島大学で開催し、浜下昌宏(神戸女学院大学)、閔周植(嶺南大学)、T.Lundemo(ストックホルム大学)、萱のり子(大阪教育大学)、津上英輔(成城大学)らと共同研究を行った。その成果をこの5月に報告書としてまとめる予定である。
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Research Products
(2 results)