2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15320035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
御子柴 道夫 千葉大学, 外国語センター, 教授 (10219610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白倉 克文 東京工芸大学, 芸術学部, 教授 (40308367)
松原 広志 龍谷大学, 国際文化学部, 教授 (70131315)
長縄 光夫 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (60068757)
清水 昭雄 志學館大学, 人間関係学部, 教授 (60248648)
坂本 博 富山国際大学, 人文社会学部, 教授 (80225820)
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Keywords | ロシア思想史 / ロシアの近代化 / ナショナリズムとグローバリズム |
Research Abstract |
プロジェクト研究初年度に当たる本年は、研究代表者および分担者15名と研究協力者8名が現在行なっている各自の研究を、原則月一度の定例研究会と夏季と冬期の集中研究会(研究大会)において発表し参加者の討議にふした。その結果、時代的には、ロシア思想の揺藍期ともいうべき18世紀後半の歴史学における「ロシアとヨーロッパ」のテーマの研究から20世紀のレーニンに対する新しいアプローチの試みに至るまで、ロシア思想史のほぼ全時期を包括できた。内容的には社会思想史的方向と宗教史的方向、文学や美術といった芸術面での思想史研究の3グループの研究に大別できる結果となった。具体的には、ゲルツェン、サマーリン、プレハーノフ、イヴァノフ・ラズームニクあるいはスラヴ万国博覧会等の研究が第一のグループに、ソロヴィヨフ、レオンチェフ、フロレンスキイ、ベルジャーエフ、オプチナ修道院の長老、讃名派の研究などが二番目に、シーシキン、青薔薇グループ、ガルシンの研究が三番目のグループに組入れられるかと思うが、しかしそれぞれのグループは有機的に他のグループと関係しており、とりわけ最後のグループの研究は社会思想史的な方法と密接に結びついている。「研究目的」で述べた、近代と反近代、グローバリズムとナショナリズムのテーマは、本年度は特に意識的には共通の研究視点にはしなかったが、それぞれの研究の視野のうちにおのずから入ってきている。これらの研究は、科研費プロジェクト年次報告集No.1『ロシア思想史の再構築』と題して発刊した。本年度は形式の上ではプロジェクト参加者各自の個別研究の報告の域にとどまったが、この年次報告集を読んでいただけば判るように、そこにはプロジェクトの課題名とテーマに則った一つの流れが確実に見てとれるであろう。
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