2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15320055
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 隆 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00161993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安部 清哉 学習院大学, 文学部, 教授 (80184216)
遠藤 仁 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (20160400)
木部 暢子 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (30192016)
熊谷 康雄 国立国語研究所, 情報資料部, 部門長 (30215016)
佐藤 貴裕 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (00196247)
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Keywords | 方言形成 / モデル化 / 日本語方言 / 『方言文法全国地図』 / 方言地理学 / 比較方言学 / 文献方言史 / シミュレーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本語方言の形成過程について検討を加え、総合的かつ説明力の高いモデル(「包括的モデル」と呼ぶ)を構築することにある。そのため、具体的な目的を次のように設定していた。 (1)仮説の検討とモデル化:日本語方言の形成過程について、従来の仮説の有効性と限界を検討し、「包括的モデル」の作成に生かす。 (2)方法論の検討:「包括的モデル」を組み立てるために必要な方法論を検討し、方言形成過程のシミュレーションを行う。 (3)基礎的データの作成:上記(1)(2)の検討のために、基礎的データの整備を行う。 以上の目的に対して、最終年度である本年度は次の作業を行った。 (1)データ資料集の作成 分析結果のほかに、そのもととなったデータの公開に向けて資料集の作成作業を行った。方言形成シミュレーションのために必要な地理的・歴史的データの整備は昨年度に引き続き行い、加えて、全国方言分布資料の作成を行った。また、新たな資料収集のための方言調査も実施した。 (2)方言形成モデルの作成 「包括的モデル」構築のための3つの柱、すなわち、「仮説の検討」「方法論の検討」「基礎的データの整備」を分担者の課題に従って行った。具体的には、「中央語再生モデル」の検討、方言の重層性と近隣諸言語との関連の検討、伝播様式における地域特性・伝播経路の検討、言語分野の違いを超えた「波動論」と「系統論」の融合化の検討、方言形成史における実時間尺度の導入の検討、方言形成シミュレーションの理論的検討、全国型モデルと地域型モデルの統合について一定の結論を出した。それらを相互に検討し、有機的に統合することでモデル化を試みた。 (3)成果についての研究会(2回)の開催と報告書の作成 統合的モデルの構築に向け、研究会を2回開催した。全体の成果を報告書のかたちにまとめ公開した。
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Research Products
(7 results)