2005 Fiscal Year Annual Research Report
「声の言語地図」のネットワーク化と「映像の言語地図」開発に関する研究
Project/Area Number |
15320058
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
木部 暢子 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (30192016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸江 信介 徳島大学, 総合科学部, 教授 (90271460)
松永 修一 淑徳大学, 国際コミュニケーション学部, 助教授 (40312318)
福島 真司 鳥取大学, アドミッションセンター, 助教授 (50249570)
中井 精一 富山大学, 人文学部, 助教授 (90303198)
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Keywords | 声の言語地図 / 西日本声の言語地図 / 南九州声の言語地図 / 方言音声データベース / 地点ごとの聞き取り / 項目ごとの聞き取り / 声の言語地図のネットワーク化 |
Research Abstract |
音声を組み込んだ言語地図『西日本声の言語地図』を作成した。これは音声を聞くことができる言語地図で、164枚の地図よりなる(1枚のDVDに164個のPDFファイルを収録)。内容は「枝」「鉛筆」などの単語151項目と「おはようございます」などの挨拶ことば13項目の計164項目、地点は富山県から鹿児島県種子島に至る65地点。質のよい音声を提供するために44KHzサンプリング周波数で音声処理を行なったので、音声データベースとしての価値もある。 地図作成に当たり、世界の研究の動向を知り、また各国の研究者から意見を得るために、2005年8月1〜5日にカナダのモンクトンで開催されたTwelfth International Conference on Metbods in Dialectologyにおいて、"Development and application of ‘Acoustic Linguistic Atlas'"の題目で研究発表を行なった。内容は、変化の途中の形が各地の方言音声の中に現れている、これを地図上で見たり聞いたりすることにより、変化のプロセスを地理的関係になぞらえて捉えることができるというものである。また、地図の作製に際して「地点ごとの聞き取り」と「項目ごとの聞き取り」の間に微妙な差があることが明らかになった。これについて「方言音声研究の課題とその検討-「声の言語地図」からの提言-」(日本方言研究会第81回研究発表会、東北大学、2005.11.10)、「これからの方言音声研究」(変異理論研究会、東北大学、2005.11.11)の2つの研究発表を行った。 『西日本声の言語地図』は「南九州声の言語地図』(試作版)に続いて岸江のHPで近く公開し((http://www.ias.tokushima-u.ac.jp/kokugo/_private/kishie.htm)、中井のHPと声の言語地図のネットワークを結ぶ予定である。『映像の言語地図』については、技術的な問題、話者の個人情報保護の問題等の問題があり、研究成果の発表には至らなかった。
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Research Products
(7 results)