2005 Fiscal Year Annual Research Report
地域における定住外国人の主体的な日本語習得に関する縦断的調査・研究
Project/Area Number |
15320062
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
市瀬 智紀 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (30282148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 郁雄 早稲田大学, 大学院・日本語教育研究科, 教授 (30250864)
助川 泰彦 東北大学, 国際交流センター, 助教授 (70241560)
高橋 亜紀子 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (10333767)
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Keywords | 定住外国人 / 日本語学習 / 中国人配偶者 / ブラジル人就労者 / 定住インドネシア人 / 自然習得 / 学習ストラテジー / 地域社会 |
Research Abstract |
本年度は研究期間終了の年度であり、以下のような研究実績が得られた。 1.宮城県内の定住外国人の主体的な日本語習得に関する調査のまとめ 宮城県内の定住外国人の日本語学習の実態についての研究、定住外国人と行政やボランティアとの関わりについての研究、中国籍配偶者の言語と生活に関する考察、定住インドネシア人のコミュニテイと日本語習得とコミュニティについての研究等の成果を明らかにした。(論文全8点、資料2点、『報告書』に掲載)。定住外国人の日本語能力は、来日前の学習歴と来日後の学習環境によって決定される。学習者によって様々な日本語の学習方法があり、学習段階に応じて自分自身の学習方法を次から次へと見出していける者ほど、日本語力の発達がみられる。本研究では、周囲の一般の日本人のかかわりの重要性を強調し、「異なる文化背景をもつ他者と関係性の築ける地域社会をめざす」ことの必要性について述べている。 2.宮城県内の定住外国人の出身地としてのフィールド調査のまとめ 平成17年度末におこなった、ブラジルサンパウロにおける調査記録とインタビュー調査をまとめた。特に、ブラジル人生徒については、日本とブラジルで体験する二重の文化摩擦について言及した。(『報告書』に抜粋収録)。 3.定住外国人の言語習得に関する基本的文献の収集と要旨集の作成のまとめ 前年度からおこなっている定住外国人の言語習得に関する基本文献調査を完了し、要約集を完成させた。(『報告書』に抜粋収録、http://koho.miyakyo-u.acjp/IUERC/kenkyu-1-5.htmにて公開)定住外国人研究の基礎資料として役立てることができる。 4.研究成果の還元 研究の成果を学術雑誌にて公表する一方で、研究代表の市瀬は宮城県「外国籍児童生徒支援ネットワーク構築のための検討委員会」の座長となり、平成18年度からスタートする宮城県の「外国籍児童生徒支援ネットワーク」の構築に尽力した。加えて宮城県で「多文化共生条例」の制定が検討されることになり、市瀬が条例制定の審議会のメンバーに加わって、本研究課題から得られた知見を有効に活用した。
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Research Products
(2 results)