2003 Fiscal Year Annual Research Report
大学での学習を支える日本語表現能力育成カリキュラムの開発:統合・協働的アプローチ
Project/Area Number |
15320065
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
大島 弥生 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (90293092)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 泰子 お茶の水女子大学, 留学生センター, 助教授 (20251689)
岡本 能里子 東京国際大学, 国際関係学部, 助教授 (20275811)
中村 和夫 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (10108368)
三宅 和子 東洋大学, 文学部, 助教授 (60259083)
三原 祥子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00343559)
|
Keywords | 日本語表現能力 / アカデミック・ジャパニーズ / 大学教育 / 留学生教育 / 国際研究者交流 / アメリカ:オーストラリア / 協働 / 統合 |
Research Abstract |
15年度においては,大学での学習を支える日本語表現能力育成カリキュラムに関わる教材(アカデミック・ライティング関連教材,就職・小論文対策教材,留学生向け教材等)の分析を通じ,大学生(留学生・日本語母語話者)に期待される言語能力と課題を整理し,両者の共通点・相違点を明確にした。また,国内外の先行実践と研究情報の収集・分類を通じ,本研究の対象となる教育分野と欧・米・豪におけるWriting Across the Curriculum運動およびFYE(初年次教育)との接点を確認し,情報収集の対象を広げるに至った。同時に,各自の授業実践の情報を蓄積・交換し,日本語表現能力育成カリキュラムにおける様々なアプローチの特徴を洗い出した。まず,大学初年次の言語表現授業の分析から,学習者間および分野の異なる教師間の協働的アプローチが初年次のレポート作成活動に与える効果を確認した。とくに,学習者間の協働推敲時の会話,ティームティーチングにおける教師の発話の役割分担から,参与者がお互いの文章作成作業に果たす役割を記述した。さらに,グループによるレポート作成作業の過程での話し合いや発表を記録し,参与者の発言が文章の内容と構成に反映されるプロセスを分析した。また,日本語自体への気づきに焦点を当てた授業での学習者間の相互評価に着目し,コミュニケーションが日本語表現能力育成に果たす役割について分析した。以上のように,教材・実践・先行研究・研究情報の収集・分類を通じ問題の所在を掘り下げるとともに,授業実践の記録と分析を通じ,協働的・統合的アプローチによる実践が大学生の日本語表現能力育成に与える効果を指摘した。
|
Research Products
(2 results)