Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 能里子 東京国際大学, 国際関係学部, 助教授 (20275811)
佐々木 泰子 お茶の水女子大学, 留学生センター, 助教授 (20251689)
三原 祥子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00343559)
三宅 和子 東洋大学, 文学部, 教授 (60259083)
茂住 和世 東京情報大学, 総合情報学部, 講師 (20286181)
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Research Abstract |
16年度においては,大学での学習を支える日本語表現能力育成カリキュラムに関わる実践(アカデミック・ライティング関連,留学生向けの大学でのコミュニケーション能力育成関連等)を記録し,大学生(留学生・日本語母語話者)に期待される言語能力と課題を整理するとともに,学習者のアウトプットの分析を通じて現状と困難点について考察を行った。実践成果を踏まえ,大学における日本語表現能力育成を目指すいくつかの試みを記述し,その成果について分析を行った。具体的には,身近な日本語の使用についての現象を収集・考察し発表する,レポート作成のプロセスにピア・レスポンスを導入する,レジュメの作成能力の向上を図る,レポート作成のプロセスをeラーニングによって支援する,レポート作成のプロセスに異分野の教員によるティーム・ティーチングを導入する,等の協働的・統合的アプローチによる実践とその中での学習者のアウトプット(書かれたもの,口頭)について記述・分析を進め,これらの手法の効果と課題を指摘した。 これと同時に,国内外の先行実践と研究情報の収集・分類を進めた。まず,16年7月に豪州におけるFYE(初年次教育)の国際大会に参加して情報収集を行った。また,10月には,Writing Club関連の全米大学間組織の大会に参加し,日本での実践について2報告を行うと同時に情報収集・意見交換を行ったほか,米国内の大学および小学校でのWriting授業や支援組織の見学,担当者への聞き取り調査を行った。 これらの実践,調査,分析の成果をもとにCD-ROM版のワーキングペーパーを作成し,研究分担者・研究協力者間で意見交換を行った。以上のように,実践・先行研究・研究情報・学習者アウトプットの収集・分析・共有化を通じて,協働的・統合的アプローチによる実践が大学生・留学生の日本語表現能力育成に与える効果を指摘した。
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