2003 Fiscal Year Annual Research Report
外国語習得と母語との関係―セミリンガル現象の要因と教育的処置に関する基礎的研究
Project/Area Number |
15320075
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
中島 和子 名古屋外国語大学, 外国語学部, 教授 (70351161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 眸 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (80223999)
石井 恵理子 国立国語研究所, 日本語教育部門・第一領域, 領域長 (90212810)
西原 鈴子 東京女子大学, 現代文化学部, 教授 (60189298)
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Keywords | セミリンガル / バイリンガル教育 / 2言語相互依存説 / 母語 / 継承語 / 外国語 / 第2言語習得 / 外国人児童生徒 |
Research Abstract |
平成15年に達成した研究実績は次の7点に分けて述べることができる。(1)セミリンガリズムに関する文献整理とその収集(米国と日本)、(2)トロント大学を訪問してバイリンガル教育の専門家Dr.Jim Cumminsから研究企画について助言を受ける。(3)国語研データの追加分析(統計処理)。ポルトガル語話者の2言語会話データの分析はすでに終わっているが、中国語話者の会話データの分析が終わっていなかったので、まず統計処理をして2言語の関係を明らかにし、さらに中国語話者の日本語語彙習得、日本語中間言語分析を行った。母語である中国語データの分析は来年度の課題となる。現在中国語が分かる研究者2人に依頼してその分析方法を検討中である。(4)母語・継承語・バイリンガル教育研究会を立ち上げ、当研究プロジェクトを共に考える仲間づくりをした。現在会員150名。今年度3回の会合を開いた。(5)当研究プロジェクトに関連のある論文を数点まとめて発表した。その一部は裏の発表論文リストに載せた。(6)11月28日に開いた共同研究者会議で、来年度の調査の計画について話し合ったが、予定していた国立国語研究所の既存データの分析が一部にデータミスがあるため困難なことが判明したため、第3年度に予定していた新規narrative dataの収集を前倒しで行うことに決定。その準備の一環として豊田市教育委員会を訪問、教育指導主事に会って豊田市東保見小学校(東保見)での調査の依頼を行った。また東京池袋のNEW INTERNATIONAL SCHOOL(NIS)も訪問して調査依頼をしたところ、両校から快諾が得られた。ついで調査の下準備として、東保見の「ことばの教室」教諭〔名古屋外大大学院研修生〕とNIS教員〔名古屋外大大学院修士課程修了〕の両者に研究助手を依頼し、両校の現状と児童生徒の言語発達に関してリポートを依頼した。これらをもとに来年度の調査計画を立てる予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 中島 和子: "継承日本語学習者の漢字習得と国語教科書"桜美林シナジー. 第1号. 1-22 (2003)
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[Publications] 中島 和子: "JHLの枠組と課題-JSL/JFLとどう違うか"母語・継承語・バイリンガル教育研究会-プレ創刊号. 第1号. 2-11 (2003)
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[Publications] 中島 和子: "こども、ことば、そして日本語(一年間連載)"月刊日本語. H15.4月号〜H16.3月号. (2003-2004)
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[Publications] 中島 和子: "小学校英語で伸ばすべき力とは?"英語教育. 5月号. (2004)
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[Publications] 中島 和子: "第二言語としての日本語の獲得と母語の後退"応用言語学研究. 67-81 (2004)
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[Publications] 中島 和子: "ポルトガル語を母語とする小中学生のバイリンガル会話力の獲得"牧野先生古稀記念論文集. (未定). (2004)