2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15320080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
佐藤 マサ子 日本大学, 国際関係学部, 教授 (20235394)
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Keywords | 比較社会文化史 / 日独 / 生産文化 / 職人歌合 / Meistergesang / Minnegesang / イメージ / Intermedien |
Research Abstract |
当研究の目的と課題 日本中世の職人・技術・商業活動の諸相を多面的に伝える「七十一番職人歌合」等と同時代ドイツの職匠歌を対象に、前時代から継承した文化規範の継承、職人階層形成の社会経済的背景をイメージ資料をも含めて比較史的に研究し、共通性と相違性を明らかにする。 本年度研究実績 1.以前に行った「シーボルト本七十一番職人歌合」の独訳の為の共同研究時に集めた資料の補完の意味を持つ和歌関係資料、和歌研究文献、日本中世社会史関係の史料及び研究成果を集めた(以上和文)。他方Minnesang関係資料と、研究方法の為の記号論関係書と論文、文化史研究の方法論や日独表象比較に用いる画像資料、ドイツ中世社会史関係論文を中心に、研究資料の収集を行った(以上主に独文)。またこれを基に関係分野の研究状況を調査し、方法全体の方向と可能性を再考した。これには海外研究者達から協力を得た。 2.日本文化を通して継承されている表現の方法について継続的に研究している。これは日本人と日本文化に見られる心的傾向(メンタリテイー)や文化伝承にみられる類型、或いは象徴的表現方法の受容に関するものであり、中世における古代神話モチーフや象徴表現の受容継承方法についてであり、生産文化比較研究を行う当課題研究の基礎研究でもあり、且つ一部をもなすものである。このテーマに関して、ドイツ語論文(3)、海外での学会(シンポジウム)発表(1)を行った。論文は既に投稿済みで採用決定している。成果の刊行は次年度以後になると思われる。 尚、投稿誌はチューリッヒ大学刊『Asia』に2論文と、OAG Hahmburg(ドイツ東洋学研究協会)刊『Mitteikung d.OAG』に1論文である。 3.以上の研究調査のうち、在外資料収集と研究状況調査、シンポジウム発表の資料集めの為にドイツ(主にルール大学ボーフムとベルリン,ハンブルク)で文献調査を行った(03年8月〜9月)。 4.海外研究協力者から、主に研究状況や傾向についての助言を得ると共に、資料調査に協力を得た。海外研究助力者(学生アルバイト)の協力によって、能率的に資料収集ができた。 5.論文執筆(画像取入れを含む)、デジタル資料作成、発表デモ用資料作成等のために、ラップトップ・コンピューターとデジタルカメラを購入し、効率的研究調査ができた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Masako Sato: "Berg und Herrschaft im alten Japan : Die Verwendung Mythischer Symbole in Tsujii Takashis Roman EinLeben des Windes"Asiatische Studie(Univers5tat Zurich). Nr.2,2003(im Druck).
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[Publications] Masako Sato: "Der Palast des Meergottes und Motivrezeption und Motivwandlung auf der japanischen Literatur : Rezeption und Wandel des Motivs in der japanischen Literatur"Asiatische Studie(Univers5tat Zurich). Nr.2,2003(im Druck).
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[Publications] Masako Sato: "Die Entstehung der Bildrolle "Himmlischer Junger Prinz" und die Mythen des Altertums : Verwandlung einer Tragodie in eine "success-story""Mittteilungen der OAG Humburg. Nr.141(im Druck).