2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15320086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
根岸 茂夫 國學院大學, 文学部, 教授 (30208285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 淳 国文学研究資料館, 整理閲覧部, 教授 (40162953)
西岡 和彦 國學院大學, 神道文化学部, 講師 (80348870)
青木 周平 國學院大學, 文学部, 教授 (50146734)
古相 正美 中村学園大学, 人間発達学部, 助教授 (30268966)
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Keywords | 国学 / 荷田春満 / 東丸神社 / 史料 / 羽倉家 / 近世 |
Research Abstract |
今年度は、昨年の調査に引き続き、荷田春満の生家である東丸神社所蔵の東羽倉(荷田)家文書を調査した。 平成15年10月・16年2月の二度にわたった調査では、約2000点の史料を整理し、1点ずつ中性紙封筒に入れて保存を図った。史料のなかには、幕末から近代にかけて羽倉家において整理・書写された春満の著作の写本なども見出せ、荷田家の学統が近世に如何に伝えられたかを考察する手掛かりともなりうる。 8月と12月には、高知県立図書館所蔵の谷家史料・山内文庫を調査し、土佐藩の国学者に伝わる、荷田春満著作の書籍を調査・撮影し、また浜松市県居神社・浜松市立中央図書館・浜松市立賀茂真淵記念館において春満の高弟杉浦国頭の史料の調査・撮影も行い、地方における春満の国学の展開過程を跡づけようとした。 平成15年10月からは、これらの成果を検討するために、東羽倉家の史料の中から春満宛の書状を解読し検討する研究会を開催した。書状からは享保11年(1726)頃の、江戸神田明神の宮司芝崎好高など、春満門人の動向と、京都在住の春満との関係を窺い知ることができた。書状は綴られて、紙背には「伊勢物語童子問」の草稿が著作されており、裏から春満の墨跡が滲み虫損もあり解読が困難な史料であったが、このことから「伊勢物語童子問」の著作年代についても推測が可能になるなど、さまざまな成果と問題点が確認できた。 なお、研究成果として、青木周平國學院大學教授「荷田春満『倭学校啓草稿』の意義」(『日本文学 文化と表象』第1集、平成15年8月)、城崎陽子國學院大學兼任講師「契沖と春満の万葉集研究」(國學院大學21世紀COEプログラム・神道宗教学会共催「国学研究の諸問題」口頭発表、平成15年12月)などがある。 かつ、研究を紹介し成果の一部を公表するため、ホームページ「近世国学の展開と荷田春満の史料的研究」を國學院大學文学部のサイト内に立ち上げた。
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