2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15320086
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
根岸 茂夫 国学院大学, 文学部, 教授 (30208285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 周平 國學院大學, 文学部, 教授 (50146734)
西岡 和彦 國學院大學, 神道学部, 講師 (80348870)
鈴木 淳 国文学研究資料館, 整理閲覧部, 教授 (40162953)
古相 正美 中村学園大学, 人間発達学部, 教授 (30268966)
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Keywords | 国学 / 荷田春満 / 史料学 / 歴史学 / 日本文学 / 神道史 / 東羽倉家文書 |
Research Abstract |
活動の第一は、京都市伏見区の東丸神社所蔵東羽倉家文書の調査である。今年度、自己負担の調査も含め5回の調査を実施し、研究代表者・分担者・協力者など延べ約100名が参加した。昨年度に続き、東羽倉家文書を整理し、5700点余の史料をすべて中性紙の袋に入れ、桐箱に収納して保存の措置を講じた。さらに、荷田春満の著作・草稿に注意しながら史料1点ずつを原典に当たって検討し、近世前期の国学の特徴と、その学統の継承を史料の体系から位置づけようと分析を加えている。また東羽倉家が伏見大社の社家であったため、神社の神事・経営に関する中世・近世史料も膨大にあり、これらの体系化も分析を進めている。かつ、『日本書紀』『万葉集』『古今集』『職原抄』に関する春満の著作を、日本文学・神道史・法制史・近世史それぞれの研究者が、原典などを比較検討しながら校訂作業を進めた。 活動の第二は、研究会の活動である。毎月研究会を開催し、研究代表者・分担者・協力者が毎回20名程度参加して行われ、東羽倉家文書のうち春満自筆『伊勢物語童子問』草稿の紙背文書である享保10年(1725)前後の春満宛門人書状を解読して、門人に対する春満の指導や伏見における家塾の様子、江戸における門人たちの活動やその結合のありさまなどを分析した。史料の解読とともに、研究発表も行い、各自の研究成果に検討を加えた。この研究会以外に、春満の父信詮・弟信名の日記を解読する「日記研究会」、春満自筆書入本『職原抄』を分析する研究会も定期的に開いている。 これらの活動の結果として、研究協力者松本久史著『荷田春満の国学と神道史』(弘文堂、2005年10月)を始め、さまざまな論考が発表された。また研究成果の一部は、『新編荷田春満全集』3・4巻(おうふう、2005年5月・11月刊)などに反映された。
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Research Products
(4 results)