2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15320096
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
李 成市 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30242374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 喜孝 山形大学, 人文学部, 助教授 (10331290)
平川 南 国立歴史民俗博物館, 教授 (90156654)
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Keywords | 韓国出土木簡 / 新羅木簡 / 百済木簡 / 出土文字資料 / 文書行政 / 東アジア史 |
Research Abstract |
(1)2005年6月に出土が報じられた桂陽山城出土木簡の現地調査を7月に実施した。本遺跡からは、百済の遺物と共に韓国においては2点目になる『論語』木簡が出土した。『論語』木簡が使用されていたかを推定するための手がかりとして、出土した地点や山城の全体的な地形、周辺環境の把握に努めた。さらに国立慶州文化財研究所を訪ね、木簡の現状や保存処理に関する意見交換を行った。 (2)王都以外の木簡としては最初の出土例である二聖山城木簡の調査のため、漢陽大学校博物館を訪ね、木簡の調査をおこなうとともに、発掘担当者から、二聖山城その他のソウル周辺における山城の年代や機能についての詳細についての知見を得た。 (3)2005年7月に申し入れた国立慶州博物館との共同調査が実現し、12月に新羅の宮苑地である雁鴨池から出土した木簡や、墨書土器の調査をおこなった。雁鴨池出土木簡は韓国において最初に出土(1975年)したものではあるが、機器を用いた十分な調査が実施されてこなかった。このたびは、赤外線カメラによる観察に基づきながら確実な釈文の作成に努めた。これにより、これまで確定できなかった多数の文字の釈読が可能になり、雁鴨池木簡の新たな性格づけが期待できるようになった。その成果は、近く慶州博物館より発表される予定である。木簡の内容は、墨書土器など他の出土文字資料や、土器・金属製品をはじめとする出土遺物との関連づけが可能であり、今後の検討を進展させることによって新羅の宮廷関係の実情を具体的に明らかにできるものと期待される。 (4)今年度の成果および3年度にわたるに研究成果については、シンポジウム「韓国出土木簡の世界III」を2006年1月14日(土)に開催し、内外の研究者と共に討議した。
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Research Products
(11 results)