2005 Fiscal Year Annual Research Report
異系統土器の出会いに見る集団の移動・居住・相互関係、背景にある社会の形態
Project/Area Number |
15320106
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今村 啓爾 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (70011765)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇田川 洋 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50107520)
後藤 直 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 教授 (20292732)
大貫 静夫 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 教授 (70169184)
佐藤 宏之 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (50292743)
石川 日出志 明治大学, 文学部, 教授 (40159702)
|
Keywords | 縄文土器 / 弥生土器 / 土師器 / 編年 / 系統性 / 移住 / 情報技術 / 画像データ |
Research Abstract |
本年度の主要な課題は縄文土器の系統性と移動の問題、及び胎土分析・年代測定など自然科学的な分析であった。本年度は東京で4回の研究会を開くとともに10月28日〜30日には沖縄において実物資料を検討しながら沖縄の土器の系統性に関する研究会が行われた。 縄文土器については研究協力者の鈴木徳雄、山崎真治が中心に進めてきた後期初頭の土器系統の移動の問題に焦点が当てられ、長距離にわたる人間集団の移動と移動先の集団の間に生まれる新たな関係が土器に反映されていることが確認され、そのような土器の変化をどのような概念で把握するべきであるか検討された。研究協力者小林謙一が中心に進めてきた阿玉台式と勝坂式の関係についての検討では、南関東の西から東にかけて勝坂式から阿玉台式への傾斜が見られるが、それが単純な傾斜ではなく、異なった行動様式を有する集団の相互関係の反映であり、AMS年代測定の利用により、それが時間の経過とともにどのように変化するかという研究結果が示された。 土器の胎土分析ではさまざまな研究方法が紹介されたが、本課題との関係では土器を群として捉えるのではなく、個々の由来を確認する必要が示され、そのために土器型式研究者と胎土分析者の緊密な協力が必要であるが、なお克服すべき課題は大きい。 個々の研究分担者による継続研究の成果を紹介する紙面の余裕はないが、研究代表者の今村はこれまでコンピュータに集積した画像資料をフルに利用して分析を進め、特有の土器を持つ集団の長距離移動が具体的に追跡できることを示し、その成果は次項に示すものを含めていくつかの論文として発表されつつある。
|
Research Products
(5 results)