2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本列島における初期製鉄・鍛冶技術に関する実証的研究
Project/Area Number |
15320109
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
村上 恭通 愛媛大学, 法文学部, 助教授 (40239504)
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Keywords | 古墳時代後期 / 製鉄 / 復元実験 / 銑鉄生産 / 炉内環境 |
Research Abstract |
本年度の前半期は、昨年度に継続して、研究協力者とともに中国地方の古墳時代製鉄炉および製鉄・鍛冶関連遺物の実地調査を実施した。その結果、次のような書店を明らかにした。 1.製鉄炉底付近の炉壁の浸食が予想以上に少ない。 2.製錬滓の中に高温状態から急激に冷却されて生じた緻密な断面の鉄滓がある。 3.送風孔の角度は一般的な復元実験のそれよりも急角度である。 以上の点から、古墳時代の製鉄炉においては、〓(鋼)生産を否定するものではないが、銑鉄生産もこれまでの想定以上に実施されていたと結論づけるにいたった。また、調査所見をもとに、西日本での地域性を考慮した古墳時代製鉄炉4基の設計図を国選定保存技術保持者木原明氏の助言を受けて作成した。そして愛媛大学構内で製鉄炉を復元し、2004年12月12日、製鉄実験を実施した。 実験後、製鉄炉の記録、生成物の取り出しを行い、現在、顕微鏡等を使用した微細な観察や冶金学者の協力を得て生成物の分析を実施中である。 予察的には、当初推測した銑鉄が大量に生成され、当時の炉内環境は復元できたものと考えられる。
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Research Products
(1 results)