Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 眞一 神戸大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80030683)
早瀬 保子 日本貿易振興会, アジア経済研究所, 研究員
渡辺 真知子 明海大学, 経済学部, 教授 (70201233)
佐藤 哲夫 駒澤大学, 文学部, 教授 (00170762)
吉田 道代 摂南大学, 国際言語文化学部, 専任講師 (40368395)
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Research Abstract |
3年の研究期間の2年目にあたる今年度は現地調査を中心におこない,多くの一時資料を得た。タイでは国際人口移動の專門家とのディスカッションと資料収集,統計局においては,人口移動統計の作成,利用に関わる注意事項について聞き取りとディスカッションをおこなった。北部のチェンマイ県のミャンマー国境に近い地域では,ミャンマーからの農業労働者としての国際移動者が近年増加し,地域社会とのあいだに摩擦を引き起こしているとの情報を得た。バンコクや海外への出稼ぎが多いことで知られる東北部のコンケン県では,アジア経済危機以降バンコクからの帰還労働者の増加,中東の政治不安定化のなかで,海外出稼ぎ労働者の目的国が台湾等に変化しつつあることなどの情報も得た。一方,日本などの外資系企業の工場立地,ジェンダーに関わる雇用について現地の複数の事業所での聞き取りを進め,タイにおいては,外資系企業の立地がジェンダーに関わる人口移動,人口分布変化に一定の影響を及ぼしていることを統計分析とともに,聞き取り調査からも確認した。ラオスでは首都ビエンチャン近郊農村および北部山地の未電化農村において聞き取りを中心とした調査をおこない,出生転換(多産から少産への出生率低下の過程)と農業生産力,貨幣経済の浸透,人口抑制圧力,潜在的人口移動需要の関連を考察するための原資料を得た。 今年度に得た資料や情報のなかには,少なくとも日本ではこれまで十分に知られていなかった内容も多い。最終年度にあたる来年度は,各研究分担者が今年度に得た知見の整理,補足調査などをおこないつつ,成果公表に向け,研究をさらに進める予定である。
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