2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15330002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 達夫 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (30114383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石山 文彦 大東文化大学, 法学部, 教授 (80221761)
田島 正樹 東北芸術工科大学, 一般教養, 教授 (20147490)
桂木 隆夫 学習院大学, 法学部, 教授 (70138535)
奥田 純一郎 上智大学, 法学部・法律学科, 助教授
大江 洋 北海道教育大学, 函館校, 助教授 (80308098)
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Keywords | 公共性 / 寛容と協力 / 革命的法創造 / 「悪法=無法」 / 遵法責務 / 法に対する敬意 / 啓蒙 / 公と私 |
Research Abstract |
本年度は当研究プロジェクトの初年度にあたり、テーマである「公共性」を議論するための素地作りに各研究分担者は尽力した。本年度の活動は主に(1)会合(「公共哲学研究会」)を開催し、報告した上分担者で議論、(2)分担者が個別に学会などで報告、論文執筆・寄稿、という形をとった。(3)更に今後の議論の参考にするため、また「公共性」に関する資料作成も兼ねて、各研究分担者が「公共性」に関係すると思われる文章を抜粋し、それにコメントを付すという作業を行った。(1)に関しては、会合を5回行った。第1回(6月)は桂木報告(寛容と協力からなる「公共性」)、第2回(7月)は田島報告(革命的法創造)、第3回(10月)は上記「公共性パッセージ」に関する各研究分担者の試案報告、第4回(12月)は東京大学大学院博士課程の横濱竜也氏による報告(『法哲学年報』研究ノートを基にした遵法責務論)、第5回(2月)は谷口報告(修士論文を基にした公共性の4テーゼ)である。(2)に関してまず井上は、立憲民主政における公共的討議の活性化の条件の保障という問題に即して、公共性概念の再検討と公共的意思決定システムの基本原理の検討を進め、その成果を英語論文"Two Models of Democracy : How to Make Demos and Hercules Collaborate in Public Deliberation"にまとめ、8月12-18日にスェーデンのルントで開催された国際法哲学社会哲学学会連合(IVR)世界大会において発表した。奥田は、「生命科学技術研究推進のための生命倫理と法」(科学技術振興調整費研究、研究代表者・町野朔上智大学教授)に参加しヒト胚の法的地位に関する議論を検討した。また吉永はW・フンボルトの政治思想解説を一橋大学・森村進教授編集によるリバタリアニズム書籍に寄稿した(刊行は04年9月予定)。
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