2003 Fiscal Year Annual Research Report
「法の支配」と「法治国家」―新世紀統治システムの型と文脈
Project/Area Number |
15330008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
初宿 正典 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40024088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 眞 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (80138148)
佐藤 幸治 近畿大学, 法学部, 教授 (70025146)
高田 敏 大阪国際大学, 法政経学部, 教授 (80028000)
毛利 透 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (60219962)
土井 真一 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (70243003)
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Keywords | 憲法学 / 法の支配 / 法治国家 / 統治システム |
Research Abstract |
共同研究初年度にあたる本年度は、基礎資料の充実と共同研究者間での基本的問題意識についての討議を大きな目的とした。前者については、早い時期に梧陰文庫井上毅文書のマイクロフィルム一式を購入した。これは明治期の大日本帝国憲法を始めとする諸立法の経緯を研究するための基礎資料であり、今日の日本の統治構造にも深く影響を及ぼしている戦前日本の法構造を分析するために必須の文献である。またその後、アメリカおよびドイツの憲法学、憲法実務に関する雑誌のバックナンバーを4点購入した。いずれも重要な論文が掲載されることの多い重要な雑誌であるが、京都大学に所蔵されていなかったので研究上大きな支障となっていた。この購入により、比較法的検討が大いに進んだ。 共同研究としては、小規模のグループでの日常的意見交換も行ったが、全員が集まる研究会を9月と3月に二度行った。9月の研究会には、東京大学大学院法学研究科の高橋和之教授も招き、「法の支配」と「法治国家」の概念構成とその今日的意味について、理論的観点から深い討論がなされた。また、現在の日本で「法の支配」を実現するために必要な制度改革についても議論がなされた。3月の研究会では、アメリカおよびドイツの最近の憲法状況を、より広い視点から見直す報告および議論がなされた。これらを通じて新世紀統治システムにおける法の役割についての理解が深まり、来年度の研究への堅い土台を構築することができた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 毛利 透: "主権と平和-インゲボルク・マウス、そしてハーバーコス"国家と自由-憲法学の可能性(日本評論社). (発表予定). (2004)
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[Publications] 毛利 透: "自由な世論形成と民主主義-公共圏における理性"憲法問題. 15号(発表予定). (2004)
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[Publications] 中山 竜一: "リスク社会における法と自己決定"現代法の展望(有斐閣). (発表予定). (2004)
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[Publications] 高橋 明男: "Die innere Sicherheit und die Rolle privater Sicherheitsvorsorge in Japan"Aut dem Weg in einen "neuen Rechts staat" (Duncker & Hamblot). 131-140 (2004)
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[Publications] 佐藤 幸治: "憲法とその"物語"性"有斐閣. 190 (2003)