2004 Fiscal Year Annual Research Report
外国人参政権問題の国際比較研究-グローバル化に伴う国民国家の「変容」の中で
Project/Area Number |
15330032
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
河原 祐馬 岡山大学, 法学部, 教授 (50234109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 聖美 岡山大学, 法学部, 教授 (40127569)
玉田 芳史 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (90197567)
力久 昌幸 北九州市立大学, 法学部, 教授 (90264994)
植村 和秀 京都産業大学, 法学部, 教授 (10247778)
木村 幹 神戸大学, 大学院・国際協力研究科, 助教授 (50253290)
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Keywords | 移民政策 / 多国籍 / 国民国家の「相対化」 / 国籍法 / 市民権 / グローバル化 / 国際人権レジーム / 主権の共有 |
Research Abstract |
本科研研究は、大別して、(1)グローバル化、ナショナリズム、選挙制度や政党政治等の問題についての理論研究、(2)移民移入国における外国人問題の歴史的プロセスについての考察、および、(3)これら諸国における定住外国人に対する参政権問題をはじめとする市民権政策の現状と課題についての比較研究、という取り組むべき主要な3つの課題をもっている。平成15年度は、上記(1)および(2)の研究課題を中心に、文献研究を中心とした調査研究枠組みの設定、国内での資料収集を主とする研究対象地域の外国人問題についての最新情報の把握および現地でしか入手できない関連資料や現地研究者との研究上の交流等を中心とした海外調査等の作業を進め、これらの研究作業を通じて、本研究の主たる対象である外国人参政権間題についての比較研究的な理解が深められた。さらに、本平成16年度は、上記(3)の研究目的の達成を中心に、最終的な研究作業の取りまとめを行なってきた。具体的な研究作業としては、まず、前年度に収集された調査資料に基づく研究課題の実証的な分析を行ない、ついで、こうした各々の国々の具体的な実証分析に基づき、上記(1)から(3)の研究目的についての総合的な考察を行なってきた。こうした総合的な考察を踏まえて、現在、本研究が外国人参政権問題の実証的な考察を通して解き明かすべく主たる目的として課した新世紀の多民族社会における民族共存の諸条件についての結論的提言を含めた研究報告書の最後の作成作業に着手している段階である。本年度においても、昨年度にひき続き、上記研究課題についての「ブレーンストーミング」および本研究調査についての最終的な取りまとめ作業を目的とした研究会を4回にわたって実施した。これらの研究会では、各々の参加者が担当する研究地域もしくは諸国の事例を紹介し合い、そこでの比較的見地に基づく活発な議論と意見の交換は、本研究の研究課題への取り組みが単に研究代表者および研究分担者の個人的な研究のレベルに止まることなく、研究協力者を含めた本研究課題に対する共通した問題意識の形成に大きく役立つものであったと考えられる。本科研研究は、外国人参政権問題に焦点を当て、この問題との関連において、冷戦終結後の国際社会における民族共存の条件要因等の問題について考察する比較政治研究の試みであるが、二年間にわたる本研究の研究成果の結実ともいうべき研究成果報告書を元にした、研究分担者のみならず研究協力者の研究成果をも含めた学術書の出版に向け、現在、具体的な計画を本研究参加者と相談しながら構想している段階である。
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Research Products
(5 results)