2005 Fiscal Year Annual Research Report
非線形動学理論に基づく寡占・複占理論の再構築に関する学際的研究
Project/Area Number |
15330037
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
松本 昭夫 中央大学, 経済学部, 教授 (50149473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 康男 中央大学, 経済学部, 教授 (00062175)
浅田 統一郎 中央大学, 経済学部, 教授 (20151029)
石川 利治 中央大学, 経済学部, 教授 (80266262)
藪田 雅弘 中央大学, 経済学部, 教授 (40148862)
稲葉 敏夫 早稲田大学, 教育学部, 教授 (30120950)
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Keywords | カオス / 非線形動学 / ボトルネック・モノポリー / KGMモデル / 寡占ゲーム / インフレ・ターゲット / 分岐理論 / 空間経済学 |
Research Abstract |
研究成果はマクロ動学分析とミクロ動学分析に関するものに分けられる。 1.マクロ動学分析 (1)価格調整の不完全性がマクロ経済学に与える影響を考察する為に動学的マクロ経済モデルを構築し、以下の3点を明らかにした。(1)緊迫的金融政策は流動性の罠を伴う経済不況を均衡経路として発生させる。(2)緊迫的金融政策の下では均衡経路の不確実性が発生する。(3)流動性の罠に陥った経済では、財政政策は必ずクラウディングアウト効果をもたらす。 (2)EU諸国のような共通通貨圏における2地域間の経済相互依存関係を分析するために、地域間の財の取引と地位間資本移動によって結び付けられた固定相場制の2地域マクロ動学モデルを用いて、景気循環の理論分析をおこない、定常点の安定性・不安定性および循環解の存在を解析的に証明した。 (3)高次元動学ケインジアン・モデルを構築し、中央銀行の態度や行動の信憑性がマクロ経済のパフォーマンスに及ぼす影響を数値解析と数値シムレーションにより明らかにした。 2.ミクロ動学分析 (1)カオスを含む複雑動学系が生み出す様々な動学の定性的な性質を調べる為の一つの方法は統計的な処理を施すことである。そのためには個々の動学的軌道の性質を調べるのではなく、その軌道を生み出している分布関数の特性を調べる必要がある。一般的には分布関数を陽表的に表すのは難しいが、動学体系が区分線形的であるときには、ある程度の特性を導き出すことができる。 (2)競争、寡占そして独占の小売市場と独占の生産経営を想定し、小売市場における競争形態が生産経営の価格、販売量、利潤に与える影響をモデル分析により考察した。 (3)競争モデル、価格圧縮ゲームとの比較をしながら、ボトルネック・モノポリー市場の特性を検討し、以下の知見を得た。この市場では(1)競争市場より低い価格が成立する、(2)価格圧縮ゲームより低い価格が成立する、そして(3)ボトルネック独占者は価格圧縮の誘引をもたない。
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Research Products
(6 results)