2003 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ社会国家の成立・変遷とそれを巡る論争および学説
Project/Area Number |
15330038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
保住 敏彦 愛知大学, 経済学部, 教授 (60167632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 清一 滋賀県立大学, 人文社会学部, 教授 (30123425)
近藤 潤三 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (80111863)
若尾 祐司 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (70044857)
岸川 富士夫 名城大学, 商学部, 教授 (80186212)
後藤 俊明 愛知学院大学, 商学部, 教授 (50175345)
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Keywords | 社会国家 / 福祉国家 / 社会政策 / W.H.リール / 産業立地の再構築 / 優生学思想の受容 / G.ジンメル / 家族福祉政策 |
Research Abstract |
(1)各参加者の研究の概要:保住は今後の研究展開を射程に、社会国家の概念と研究課題について解明した。小林は、福祉国家の比較研究の一環として、雇用と高齢者の問題に限定して、ドイツ、アメリカ、北欧の比較を行った。若尾は、民俗学者W.H.リールの社会政策論と民衆文化研究との関連について研究した。近藤は、海外での調査研究に基づき、産業立地の再構築を巡る政策の展開を主軸とする書物を執筆した。後藤は、ドイツにおける優生学思想の社会的受容とりわけプロテスタンティズムにおけるそれについて研究し、主要論説3篇を邦訳した。岸川は、1890年から2000年代初頭の知識人がどのように社会主義を問題としたのかについて、とくにジンメルに焦点をあてながら、比較研究を行った。奥田も、同時代の社会国家形成期に影響を及ぼした有力思想家の比較研究を進めた。 (2)学会および研究会:本年度には、3回の研究会と1回の学会報告を行った。2003年9月27日に、保住、若尾、および招聘した久間清俊氏(熊本学園大学)が、ドイツ社会国家に関連して報告し、討論を行った。12月20日には、招聘した布川日佐史氏(静岡学園)が「ドイツにおける雇用政策と公的扶助の機構改革の動向」について報告した。2004年3月23日には、招聘した武田公子氏(京都府立大学)が、「ドイツ自治体行財政の転換の方向性」について報告した。また、社会思想史学研究会第28回全国大会(2003年10月18・19日、札幌大学)の分科会において、「ドイツ社会国家の生成・発展とそれを巡る論争・学説」という共通テーマで、保住、若尾、岸川、久間が報告を行った。 (3)海外調査:さらに、保住、近藤、後藤は、ドイツ連邦共和国に渡航し、プレーメン大学社会政策センター等各地で、専門家へのインタヴューを行い、資料の収集を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 保住敏彦: "社会国家の概念と社会国家研究の課題"愛知大学経済論集. 第164号. 1-1 (2004)
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[Publications] 若尾祐司: "近代ヨーロッパ農村社会史"科研報告書『近代化プロセスにおける家族と郷土の比較文化史』. 10-10 (2004)
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[Publications] 奥田隆男: "表層と構造-ゴツトフリート・ゼンバーについて-"名古屋外国語大学国際経営学部紀要. 第13号. 78-78 (2004)
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[Publications] 近藤潤三: "統一ドイツの政治的展開"木鐸社(予定).
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[Publications] 若尾祐司: "記録と記憶の比較文化史"名古屋大学出版会(予定). 300 (2004)
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[Publications] 若尾祐司: "近代ドイツの歴史"ミネルヴァ書房(予定). (2004)