2004 Fiscal Year Annual Research Report
セミパラメトリックEL法による統計的推測の1次及び高次漸近理論とその応用
Project/Area Number |
15330040
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西山 慶彦 京都大学, 経済研究所, 教授 (30283378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森棟 公夫 京都大学, 大学院・経済学研究所, 教授 (20109078)
谷崎 久志 神戸大学, 大学院・経済学研究所, 教授 (60248101)
人見 光太郎 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (00283680)
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Keywords | 経験尤度関数 / 漸近理論 / シュミレーション / 時系列解析 / 因果性 / ジャンプ付拡散過程 / セミパラメトリック推定 |
Research Abstract |
本年の研究においては、人見、西山(2005)がセミパラメトリック推定問題におけるパラドックスの問題を扱った論文を完成させた。通常は未知の局外母数を含む推定問題においては局外母数の推定誤差が興味対象となる推定量の分散を上昇させる。しかし、一定の条件下ではそれが逆転する。このようなパラドックスがなぜ生ずるかを明らかにし、そのような例をいくつか発見した。また、人見(2005)は昨年度より続けてきた研究成果を投稿し、学術誌に掲載が決まった。 Nishiyama and Robinson (2005)は継続的に続けてきた研究成果を投稿し、学術誌に掲載が決まった。そこでは、セミパラメトリックADの推定量の2次エッジワース展開を導出し、それをブートストラップ分布と比較し、両側検定や区間推定において漸近的な性質の改善のオーダーを調べた。セミパラメトリック推定における2次のオーダーのエッジワース展開はほとんど既存研究がなく、興味深いものである。 西山、人見、川崎(2005)は通常ELやGMMにおいて現れる条件付のモーメント条件で表される検定問題を、関数空間の直交問題に置き換えてグレンジャー因果性をノンパラメトリックに検定する手法を提案したものである。その検定は以下のような良い特徴をもっている。 1)root-T局所対立仮説に対して検出力をもつ。 2)平均の意味での非線形の因果性を検出できる。 3)K次モーメントまでに関する因果性を検出できる。第三の性質は特に、近年重要になっている金融データの解析などに有効な手法である。 劉、西山(2004)は、ジャンプ付き拡散過程が満たす特性関数に関するモーメント条件を用いてEL法を使ってパラメータを推定するというものである。シミュレーションによると、これは既存のGMM法などと比べて、およそ倍以上の効率性のゲインがあり、今後その理由を理論的に調べていく予定である。
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Research Products
(5 results)