2004 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者人口の都心回帰-我が国都市圏システムのロキシー指標分析-
Project/Area Number |
15330041
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
川嶋 辰彦 学習院大学, 経済学部, 教授 (40080353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 伸英 学習院大学, 経済学部, 教授 (10118763)
福地 純一郎 学習院大学, 経済学部, 教授 (00274043)
山村 悦夫 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (00001230)
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Keywords | 空間的循環段階 / 老年人口 / ヴォランタリズム / 那覇都市圏 / 山村高齢者 / 需要曲面 / 都心回帰 / ロキシー指標分析 |
Research Abstract |
今年度<平成16年度>に行なった研究作業により得られた代表的な知見等は、下記のとおりである。 1.那覇都市圏内主要二幹線道路(国道58号線<R58>及び国道329号線<R329>)沿線地域に対して試みた1960〜2000年に恆(恒=新字)る国勢調査に基づくロキシー指標分析の結果、都市圏内空間的循環(即ち、都市サイクル)過程に関し、下記の点が明らかになった。 (1)R58及びR329の両沿線地域が呈する人口の都心化・郊外化現象の考察に、クラッセンが提唱する都市サイクル・モデルの適用が、老年人口・非老年人口ともに可能である。 (2)両沿線地域とも、都市サイクルのポジションでは、非老年人口に比較し老年人口が近年は先行している。 (3)上記(2)の傾向は、東京都市圏内の高崎線鉄道沿線地域が見せる傾向(即ち、老年人口に比較し非老年人口が近年は先行している現象)と、対蹠的である。 (4)R329沿線地域の老年人口は、1990年代に再都心化段階に入っており、同地域は既に高齢者人口の都市回帰時代を迎えている。他方、R58沿線地域の老年人口は1990年代、後期郊外化段階の後半にある。 2.高齢者の生活環境改善に寄与するNGOヴォランティア活動が、都市サイクル・ポジションの文脈に於ける高齢者人口の都心回帰を、有意に促す可能性が少なくない。 3.途上国では、山村高齢者の都心移動は殆んど見られない。
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Research Products
(3 results)