2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本における将来に対する不安がマクロ経済に与える影響に関する定量的分析
Project/Area Number |
15330044
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
竹田 陽介 上智大学, 経済学部, 教授 (20266068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 貴子 早稲田大学, 政治経済学術院, 助教授 (00264581)
出島 敬久 上智大学, 経済学部, 助教授 (70286756)
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Keywords | 予備的貯蓄 / 不確実性 / 教育需要 / 貨幣の流通速度 / ケインズの美人投票 |
Research Abstract |
本プロジェクトの最終年度にあたる2005年度は,以下の研究論文の執筆・報告・雑誌への投稿を行った. 1.Takeda, Yosuke and Atsuko Ueda, "Welfare Cost of Inflation and Income Risks in an Incomplete Market Model : Application to the Japanese Economy"本論文は,雇用不安の存在する環境において,金融契約が不完備であるために発生するインフレのコストを定量的に分析した.英文校正を終えた. 2.出島敬久・竹田陽介・上田貴子「家計の教育需要の決定要因-親の教育水準と予算制約の効果」本論文は,家計経済研究所の家計消費に関するパネル・データを用いて,世帯の就業選択行動を内生的に考慮する手法により,教育支出関数を推定した.2005年度日本経済学会春季大会(京都産業大学)の招待セッションにおいて報告された. 3.Takeda, Yosuke and Atsuko Ueda, "Uncovering the Goodhart's Law : Theory and Evidence"本論文は,金融政策が貨幣集計量をターゲットに設定するレジームに関する不確実性が,家計の貨幣需要を不安定化するというCharles Goodhartの指摘した法則について,理論モデルに基づき定量的に分析した.同論文は,コンファレンス「現代日本の望ましい金融政策運営」(2005年12月,関西社会経済研究所)にて報告された.また,Society for Economic Dynamics(2006年7月,バンクーバー)および第2回APEA大会(7月,シアトル)において報告する許可が下りた. 4.竹田陽介・矢嶋康次「金融市場との対話:新法下の日本銀行のケース」本論文は,量的緩和政策後に投資家の期待形成が公的なシグナルに大きく影響を受け,ケインズの美人投票のメカニズムが働くようになったことを実証的に明らかにした.同論文は,日本経済研究センターの「失われた10年を超えて」研究会の報告書に収められた.
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Research Products
(2 results)