2004 Fiscal Year Annual Research Report
北東アジア地域経済協力の進展と前提条件に関する研究
Project/Area Number |
15330060
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
松野 周治 立命館大学, 経済学部, 教授 (10128457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西口 清勝 立命館大学, 経済学部, 教授 (20039465)
中川 涼司 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (30198048)
LEE Kangkook 立命館大学, 経済学部, 助教授 (00367989)
徐 勝 立命館大学, 法学部, 教授 (30309083)
中戸 祐夫 宇都宮大学, 国際学部, 講師 (60334075)
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Keywords | 北東アジア / 地域経済協力 / 延辺 / 大連 / 互市貿易区 / 羅津・先鋒 / 朝鮮 / 韓国経済 |
Research Abstract |
テーマに関連する研究会、国際ワークショップ(大連、延辺、北京、京都)、実態調査(中国遼寧省大連市、中国吉林省延辺朝鮮族自治州)、訪問その他を通じて主として以下のような成果を得た。 1.中国社会科学院、東北財経大学、延辺大学、大連市経済研究センター(現在、大連市発展研究センター)、吉林大学、韓国対外経済政策研究院、環日本海経済研究所、台湾大学等の研究成果を吸収した。 2.北東アジア地域経済協力の進展において重要な役割を果たす中朝国境地域、図們江地域・延辺朝鮮族自治州での、日中韓朝露協力の実態調査と学術交流を昨年に続き実施し、韓国企業(木材加工、図們市)の直面する物流並びに市場面での課題、ロシア側の関税引き上げによる中ロ互市市場の規模縮小、中ロ鉄道積み替え駅の引き続く営業困難など、中ロ国境貿易が直面する課題などを明らかにするとともに、延辺自治州からの海外労働力輸出が州財政収入の2.5倍に上る海外からの送金をもたらしているなどのデータを獲得した。また、地域経済協力の基盤をなす民族共生の課題について、高句麗史認識を巡る中国の研究状況などを例にして意見交換を行った。 3.中国政府は、2004年より「東北老工業基地振興プロジェクト」を推進しているが、その代表的担い手である大連市の経済発展戦略「1つの中心4つの基地」の内容と、その中で重点的に進められている開発区や輸出加工区・保税区と港湾を一体的に機能させる試み、ITソフトウェアパークの発展計画について把握し、外国資本を導入しながら展開されている北東アジア地域経済協力のもう一つの類型を明らかにした。 4.在延吉朝鮮羅先市駐在員事務所の役員との懇談、海外研究協力者の羅先地区訪問を通じて、朝鮮の経済改革措置の実施状況と外国の投資に対する優遇措置、総合市場の現状などについて情報を得ることができた。また、韓国・対外経済政策研究院等との共同シンポジウムを通じて、朝鮮に「入り込む協力」を通じた北東アジア経済協力に朝鮮の参加を実現する可能性を明らかにした。 5.FTA締結を含む日本の地域経済連携強化政策の意義、並びに北東アジア地域協力の担い手である韓国経済の現状について、引き続き検討した。 6.北東アジアの地域経済協力の前提である地域安全保障に関する日中韓の研究の現状を明らかにするとともに、東アジア経済全体の発展における地域経済協力の意義を明らかにした。
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Research Products
(14 results)