2003 Fiscal Year Annual Research Report
都市の構造転換とコミュニティの変容に関する実証的研究
Project/Area Number |
15330101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
玉野 和志 東京都立大学, 人文学部・社会学科, 助教授 (00197568)
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Keywords | 都市 / コミュニティ / 空間 |
Research Abstract |
研究計画の初年度にあたる03年度は,東京大都市圏においてかつては工業地帯として発展し,一時期衰退していたが,近年横浜や東京の都心部への通勤区域として,改めて人口が増加している横浜市鶴見区を対象に,鶴見区の順調な人口増加の背景として,どこからどのような人口が流入しているのかを確かめるための郵送調査を実施した. まず,適切な調査対象地点を選定するために,既存統計データを町丁目ごとに整理する社会地区分析のためのデータ収集と分析を行った.社会地区分析については隣接する港北区も併せて行うと同時に,次年度の研究計画の準備の意味もあって,同様の手法で横浜市青葉区と川崎市宮前区についても作業に着手している. 社会地区分析の結果,次のことが明らかになった.鶴見区については人口および事業所がいずれも鶴見駅周辺に集中していること.その他にめだった特徴としては,鶴見川沿いのいくつかの地点における製造業の集積と東横線沿線区域での人口の増加である.同様の特徴は鶴見区と連坦する港北区においても確認できるが,港北区ではとりわけ90年代以降の新横浜周辺への事業所の集中がめざましいことが改めて明らかになった. 以上の分析結果をふまえて,鶴見区では人口の増加している鶴見駅周辺と東横線沿線地区,さらには一旦人口が減少していたが,近年になって回復傾向が見られる地区,さらには沖縄出身者や外国人居住者の比率が高く,特徴ある市民活動が展開している地区の4種類の地域を対象に郵送によるサーベイ調査を実施した.1000サンプルを郵送し,現時点で320ケースあまりが返送されてきている.これから収集データの分析を深め,上記の社会地区分析結果に社会学的な知見を加えると同時に,次年度の調査への展開を図っていく予定である.
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