2005 Fiscal Year Annual Research Report
女性の「生活基盤」の形成・変動と福祉課題-「生活基盤不案定層」の類型化を中心に
Project/Area Number |
15330123
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
岩田 正美 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (50089968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 陽明 日本女子大学, 人間社会学部, 助教授 (00198128)
濱本 知寿香 大東文化大学, 経済学部, 助教授 (00338609)
黒岩 亮子 日本女子大学, 人間社会学部, 助手 (60350188)
川原 恵子 日本女子大学, 人間社会学部, 学術研究員 (70348308)
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Keywords | 女性の生活基盤 / 女性の住宅所有関係 / 住宅ダイナミックス / 母子世帯 / 婚姻歴 / 福祉施設 |
Research Abstract |
【目的と方法】 女性の生活基盤の安定性を住宅に焦点化して明らかにし、福祉政策の課題を検討する。これまで行ってきた向老期と高齢期の女性に対する2種類の量的調査、福祉施設利用者のインタビュー調査、若年女性のパネルデータの再分析、および英国の女性と住宅についてのレビューによる研究会、ワークショップを開催し、最終年の研究のまとめを行った。 【研究結果】 1)全国の54-64歳までの女性に対するアンケート調査(05年11-12月実施802票回収(回収率60.6%)および世田谷区の65歳以上高齢者1000名に対するアンケート調査(2005年2〜3月。618票回収(回収率61.8%))から、女性の住宅所有構造を、持家(名義なし)持家(名義有り)、親族の家、借家の4つに分類し、これらが女性自身の他の資産と強く関連し、また婚姻歴,学歴、就業状態などで変化することを明らかにした。女性名義持家は2割で、女性の持家居住は依然夫や親に依拠している。一貫借家居住層、子ども名義持家居住層、離婚経験層等に生活基盤の不安定が見られる。 2)「消費生活に関するパネル調査」の1993〜2004年調査データで、「母子世帯前年」と「母子世帯1年目」をたどれる母子世帯の住宅ダイナミックスを分析した。母子世帯になることによって、46.6%の人が住宅移動を経験しているが、同一都道府県内移動が多い。親と同居しない母子世帯は貧困率が高く、住宅移動を行った場合は耐久消費財所有率が低いこと等が明らかとなった。 3)福祉施設利用者17ケースのインタビューをもとに、住宅移動、地域移動を分析すると、家族の暴力からの逃避、借金取り立て・家賃滞納、路上生活、その他の4つの類型に分類できた。施設を利用しても、普通住宅に転出していく道が閉ざされている利用者が多いことが課題として摘出された。 4)英国では持家政策を背景に女性名義持家取得が高まり、そのため女性も過大なローンを負う一方で、持家を持てない層は価値を低められている。
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