2003 Fiscal Year Annual Research Report
九州地域における精神障害者支援施策の形成と発展に関する総合調査研究
Project/Area Number |
15330129
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagasaki Wesleyan University |
Principal Investigator |
田中 英樹 長崎ウエスレヤン大学, 現代社会学部, 教授 (10315179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 憲介 長崎ウエスレヤン大学, 現代社会学部, 助教授 (00331926)
中野 伸彦 長崎ウエスレヤン大学, 現代社会学部, 教授 (10207847)
張 昌鎬 静岡福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (10331927)
半澤 節子 長崎大学, 医学部, 専任講師 (50325677)
村上 清 長崎ウエスレヤン大学, 現代社会学部, 助教授 (10352379)
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Keywords | 九州 / 精神障害者支援 / 社会的入院 / 地域特性 / 施策形成 / 社会変動 |
Research Abstract |
平成15年度における本研究計画の目的は、九州地域における精神障害者支援の地域特性及び施策形成の歴史的推移を文献調査、現地ヒアリング調査及びアンケート調査で明らかにすることにより、次年度以降の調査研究における基礎資料を得ることであった。それに基づき以下の調査研究及び研究合宿を実施した。 1 文献調査 九州・沖縄各県の精神科病院関係資料及び関連する社会史原子量、また文化・経済・政治・歴史等の関連資料の収集の中で、戦前戦後の精神障害者支援に関する著書及び文献・資料を収集した。 2 現地ヒアリング調査及びアンケート調査 九州・沖縄各県の精神科病院、主要社会復帰施設及び関連資源、家族会、セルフヘルプグループ、市民団体を対象に、九州全県に渡ってヒアリング調査及びアンケート調査を実施した。 3 研究合宿 本調査研究の実施にあたり、各種調査を実施する各研究員との必要な連絡調整及び調査研究進捗状況報告、外部から講師を招聘しての研究会主催等を目的とした研究合宿を2003年7月、2004年3月の2回に渡り実施した。 平成15年度の本調査研究成果としては、九州地域における精神障害者支援の地域特性及び施策形成の座史的推移を見ていく時、戦前と戦後の間に連続性があること、特に天皇制を中心とした近代国家成立の途上、現在に至る精神医療の展開の基本的性格(「治安」と「救貧」)が決定付けられ、戦後の社会保障制度の整備と九州地域における様々な社会運動(都市への人口流出、家族システムの弱体化、産業構造の変化、地方行幸、保守的政治体制等)の影響下で、社会的対応としての精神科病床の増床を促す下地が、九州地域では他の地域に比べて比較的整っていたことを現地ヒアリング調査及びアンケート調査、文献調査を通じて、いくつかの仮説とともに分析することができた。
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