2004 Fiscal Year Annual Research Report
特殊なニーズのある子どもの同胞に対する支援システムの構築に関する研究
Project/Area Number |
15330131
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Research Institution | Research Institute, National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
北村 弥生 (増田 弥生) 国立身体障害者リハビリテーションセンター(研究所), 障害福祉研究部, 研究員 (80360684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 礼子 沖縄県立看護大学, 学長・教授 (80010015)
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Keywords | きょうだい / 障害児 / ワークショップ |
Research Abstract |
1)米国で開発された障害児のきょうだい(小学生)を対象としたワークショップ(以下、WS)を日本の知的障害児のきょうだいを対象として試行し、日本人に馴染みが少ないディスカッション(討論)をどのように実施するかを検討した。平16年度は討論の時間をつくらずに、4回に同じ子どもが参加した場合に、自然に話しがきょうだいや障害のことにまで及ぶか否かを観察した。観察の結果、あ)4回全部に参加した子どもは登録25人中3人であり参加者全体が親しくなるには到らなかった、い)子どもだけでは自然に話しがきょうだいや障害のことにまで及ぶことは少なく、大人によるきっかけづくりが必要であることが明らかになった。 2)平成15年度のWSに参加した子ども、保護者、スタッフに質問紙法による調査を行ない、WSの評価を行なった。その結果、以下のことが明らかになった。あ)子どもからの評価は平均点4点以上(5点満点)で非常に高かった、い)プログラムごとの評価では、子どもからは、動きの激しいゲームに対する評価が高かった。しかし、同じゲームに対するスタッフからの評価はチームごとのまとまりが無かったなど、必ずしも子どもによる評価とは一致しなかった、う)自己紹介、おしゃべり、クイズ等「話す」アクティビティには1、2点の評価をする子どもが2名いた。しかし、回を追うごとに同児による評価は高くなった。それ以外の子どもによる評価は他のゲームと同じであった。え)WSの必要性が分かると言う回答はスタッフのうちきょうだいは非きょうだいに比べ有意に多かった。以上の結果から、討論のない遊びだけのWSの開催意義も大いにあること、スタッフにきょうだいに対するWSの必要性を周知することが難しいことがわかった。また、「話す」アクティビティを嫌う子どももいるが必ずしも多くないことが示唆された。平成16年度のWSへの評価調査は実施中である。
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