2005 Fiscal Year Annual Research Report
特殊なニーズのある子どもの同胞に対する支援システムの構築に関する研究
Project/Area Number |
15330131
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Research Institution | Research Institute, National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
北村 弥生 (増田 弥生) 国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所, 障害福祉研究部, 研究員 (80360684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 礼子 沖縄県立看護大学, 学長、教授 (80010015)
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Keywords | きょうだい / 障害児 / 自閉症 / 知的障害 / ワークショップ / 討論 / 自己概念 |
Research Abstract |
目的:特殊なニーズのある子どものきょうだいに対する支援方法のひとつとして米国で開発されたシブショップの討論を日本でどのように実行できるか、また、その効果を明らかにすることを目的として、をワークショップを試行し、その効果を評価した。 方法:前期14人、後期11人に1か月間隔で3回および2回のワークショプを提供した。シブショップは時間が長いこと(4時間)、レクリエーションの比重が大きいこと、ファシリテーターを専門職者と大人のきょうだいが推奨されることが特徴である。ワークショップでは、きょうだいに共通する感情や経験を共有し、対処方法を交換するための討論が重要な要素である。日本流の修正は、1)討論の数を1日あたり3回から1回に減らしたこと、2)自己紹介できょうだいの障害名をあげなかったこと、3)全員で話す前に小グループで話しメモをとったこと、4)発表はグループのひとりとし話さなくてもよい役割を作ったこと、5)スタッフ数を多くし全員の前で発表しなくても近くのスタッフと話すことを可能にしたこと、であった。 結果:討論の時間は米国の25分程度に対し40分程度と長くなった。討論は挙手も多く活発に進行し、参加者による評価では討論とゲームはいずれも4〜5点(5段階)であり、最高得点は討論であった。ほとんどの参加者は「障害について親や友人と話し合った経験はなく、きょうだいどうしでの討論があってよかった」「他の人の話を聞けてよかった」と答えたが、「自分の意見を言えた」「すっきりした」「家で親ともこういう話がした」は3割であった。 考察:これらの結果から、1)日本でも経験あるファシリテーターが工夫すれば討論は実施可能であること、2)討論は全員の前で意見を発表し問題解決を目標とするのではないこと、3)親には話し難いきょうだいもいるためきょうだいを対象としたワークショップの存在意義はあることが示唆された。
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Research Products
(2 results)