2006 Fiscal Year Annual Research Report
特殊なニーズのある子どもの同胞に対する支援システムの構築に関する研究
Project/Area Number |
15330131
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Research Institution | National rehabilitation Center for Persons with Disabilities (Research Institute) |
Principal Investigator |
北村 弥生 (増田 弥生) 国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所, 障害福祉研究部, 研究員 (80360684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 礼子 沖縄県立看護大学, 学長、教授 (80010015)
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Keywords | きょうだい / 障害児 / 自閉症 / 知的障害 / ワークショップ / 討論 / 自己概念 |
Research Abstract |
目的:特殊なニーズのある子どものきょうだいに対する支援方法のひとつとして米国で開発されたワークショップを日本の実情にあわせて実施するために、日本で不足しているファシリテーターを養成するための研修を行うとともに、親の会が主催する自閉症児と家族のキャンプにおいてきょうだい活動をどのように実行できるか試行し、その効果を評価した。 方法:1泊2日で、キャンプ会場において5人の学生ボランティア(以下、学生)を対象に、経験あるインストラクターが研修を行った。学生は、2泊3日のキャンプにおけるきょうだいを対象とした活動計画を立て、実施した。保護者と学生にはキャンプの前後に、子どもにはキャンプの後に、心配なこと、各プログラムの5段階評価、記述式の評価、他の様式の可能性について質問紙法による調査を実施した。また、キャンプはビデオ撮影し、主任研究者が参与観察を行った。 結果:1)子どもによるプログラムの全体的評価は全員が5であったが、学生による評価は平均2.8であり、提供できるレクリエーションが少ないこと、子どもに注意を促す技術が不足していたと答えた。2)研修の効果は場所を把握することと学生間の連携をとることであったと学生は回答し、指導技術を短期で向上させるには至らなかった。3)討論を組み込まず、きょうだいの課題について自然発生的に会話が起こることもなかったが、自閉症児や指導者と一緒の活動の中では、きょうだいの課題に遭遇する場面が3日間に12回、観察された。 考察:これらの結果から、1)学生によるレクリエーションだけの活動でも、きょうだいの孤独感を払拭することはできること、2)1泊2日程度の研修では、学生はレクリエーション技術を習得するのは難しいこと、3)討論がなくても、きょうだいの課題に遭遇した場面で経験や感情の共有を、きょうだい同士あるいはきょうだいと学生ができる可能性があること、が示唆された。
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Research Products
(1 results)