2004 Fiscal Year Annual Research Report
公共事業政策の評価と合意形成の社会心理学的研究-手続き的公正理論の応用-
Project/Area Number |
15330132
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大渕 憲一 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70116151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 俊明 東北工業大学, 工学部, 講師 (60302072)
福野 光輝 北海学園大学, 経営学部, 講師 (30333769)
木村 邦博 東北大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (80202042)
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Keywords | 合意形成 / 公共事業 / 政策評価 / 手続き的公正 / 紛争解決 / 社会調査 |
Research Abstract |
公共事業政策を一般市民が評価する場合には、行政が政策を決定したり事業を実施する際の手続きや手法が適切かどうかを判断する意思決定評価と、政策によってもたらされる結果が適切かどうかを判断する結果評価に分かれると仮定し、昨年度の調査データ(N=814)を利用して一般市民の評価構造を因子分析によって探ったところ、意思決定領域において3次元(手続き的公正、住民尊重、行政尊重)、結果領域において4次元(利益、社会全体の弊害、住民負担、分配的公正)が見出された。これらはほぼ我々が理論的に仮定した評価構造に一致するものだった。続いて我々は、クラスター分析によって公共事業政策に対する態度の違いによって回答者の分類を試みたところ、推進派、批判派、社会全体派、統合派の4グループが見いだされた。社会全体派とは、環境や国の予算など全社会的観点から事業の善し悪しを評価しようとする姿勢を持つ人たち、統合派とは利益とコストの両面を考慮して総合的に事業を評価しようとする人たちである。全体として、回答者たちは現在の公共事業政策には懐疑的だったが、評価の観点からみると推進派と統合派で回答者全体の2/3を占めており、一方、批判派は2割弱に過ぎず、このことは日本の一般市民の多くは単に公共事業を否定するのではなく、建設的な視点からこれを評価しようとする姿勢を持っていることをうかがわせるものである。また、推進派は与党自民党支持者に多く、野党第1党の民主党支持者には統合派が多く、共産党支持者には批判脈が多かった。本年はこの分析結果を受けて、更に、公共事業に対する評価の観点が国と地域に対する人々の態度によってどのように影響されるかを探るために、地域的偏りが生じないよう全国から16の市町村を選択し、選挙人名簿に基づいて成人3,000人を任意抽出して郵送調査による検討を進めている。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Anger, blame, and dimensions of perceived norm violation : Culture, gender, and relationships.2004
Author(s)
Ohbuchi, K., Tamura, T., Quigley, BM, Tedeschi, J.T.et al.
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Journal Title
Journal of Applied Social Psychology 34・8
Pages: 1857-1603
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