2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ-マクロ関連に基づく社会特性の創発に関する研究
Project/Area Number |
15330133
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
高木 英至 埼玉大学, 教養学部, 教授 (20163165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 竜也 龍谷大学, 理工学部, 助教授 (30330343)
杉浦 淳吉 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (70311719)
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Keywords | マイクロ-マクロ / シミュレーション / 社会秩序 / 創発性 |
Research Abstract |
1.今年度の研究課題は主に、社会の分業を成り立たせるような社会特性の創発をコンピュータシミュレーションで検討することにあった。今年度はこの課題のために、まず、前年度までに高木が行っていた、安心装置の出現のシミュレーションモデルの再点検から作業を始めた。前年度までのモデルの欠点は次の2点にあった。第1は、安心請負人の出現に相当特殊な条件を課していたことである。第2は、進化計算における戦略進化の計算手順が、エージェントの役割分化に必ずしも対応せず、「無意味」な戦略が見かけ上繁殖する可能性があったことである。 2.上記の第1の点についてはその条件の緩和を行い、第2点についてはエージェントの役割(安心請負人になるエージェントかその他のエージェントか)別に戦略が進化するようにモデルを設計し直した。シミュレーション結果は、この調整によっても以前のモデルとほとんど変わらぬ結果が出現することを示した。 3.以上の結果を前提に、高木は安心請負人が生じるための条件を、一種の感度分析として実施し、安心装置の出現しやすい条件の分析を行った。 4.上記の分析以外に、社会の分業(行動様態の分化)を説明するために、従来から提案されているモデルの適用可能性の検討を行った。限界質量モデルについては高木が、POXシステムの適用については野村が担当し、それぞれシミュレーションを含めた分析によってエージェントが分化する条件の検討を行った。 5.杉浦は、自らの従来の研究成果の延長上で、上記1のアイディアが現実の応用場面に適用できるか否かを検討した。結果からいえば上記1のアイディアを再現できたとはいえないが、ゲーミング手法の点では大きな成果があったといえる。
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Research Products
(6 results)