2003 Fiscal Year Annual Research Report
小・中・高一貫制にもとづく教科・教科外のカリキュラム開発研究
Project/Area Number |
15330184
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
桑原 隆 筑波大学, 教育学系, 教授 (60073920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷川 彰英 筑波大学, 教育学系, 教授 (90015917)
田中 統治 筑波大学, 教育学系, 教授 (40128046)
長洲 南海男 筑波大学, 教育学系, 教授 (90018044)
大高 泉 筑波大学, 教育学系, 教授 (70176907)
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Keywords | 小・中・高一貫 / カリキュラム開発 / 教科・教科外 |
Research Abstract |
本研究は、小・中・高一貫制の各教科・教科外のカリキュラム開発とその実証的研究を目的とする。今年度は各教科・教科外の一貫制カリキュラムの事例収集・分析、一貫制カリキュラム開発の事例収集・分析をふまえて、小・中・高一貫制カリキュラムの試案を作成することを目標に研究を行い、研究会を8回(うち、シンポジウム1回)開催した。 実態調査・事例収集は、海外ではスイス、オーストラリア、台湾、国内では奈良女子大学文学部附属中等学校、沖縄での全国大学国語教育学会に赴き国語科の立場から一貫制を考究するための情報収集を行った。その結果、スイスではフォーク型学校制度、教科外領域の宗教・道徳教育の改革による初等教育と前期中等教育の接続の実態、オーストラリアでは「本質の学習」能力設定による各教科の学習内容の設定、台湾では九年一貫、規制緩和を特徴とするカリキュラムの実態、奈良女子大学文学部附属中等教育学校では6年間の発達段階を視野に入れたカリキュラム開発の実態、沖縄での全国大学国語教育学会では言語活動領域の方法的研究や国語科の一貫制について情報交換や意見交換を行った。 また、一貫教育の先進事例校6枚から講師を招聘し、ミニシンポジウムを開催した。中高一貫教育では、結節期を特徴とする東京学芸大学附属世田谷中学校、2.2.2制や卒業研究を特徴とする私立茗渓学園中・高等学校、国立大学附属で附属学校の在り方としての問題点や視点を明らかにした名古屋大学附属中・高等学校のカリキュラム開発の状況が明らかとなった。また、小中一貫教育では、4.3.2制を特徴とする呉市立五番町小学校、研究の歴史的積み上げの上に教師文化に切り込みながら改革を図った神戸大学附属明石小学校、教科改編を含む「系」の学習を組織した品川区立伊藤小学校のカリキュラム開発の状況が明らかにされた。 さらに、情報収集の成果をまとめるデータベース化の基本枠組みを作成した。今後はその内容の充実を図ることを課題とする。 以上、今年度は教科・教科外の具体的なカリキュラム試案作成までには至らなかったが、初年度としての総合的な問題把握と今後の研究に向けた綿密な討議による共通理解は深まった。来年度は、今年度の成果をふまえて、筑波大学附属学校との連携研究の充実等、その具体的な作業に取りかかることを課題とする。
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