2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15330198
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
尾崎 久記 茨城大学, 教育学部, 教授 (40092514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 多美恵 茨城大学, 教育学部, 教授 (70091866)
前川 久男 筑波大学, 人間総合科学研究科, 教授 (50165635)
篠田 晴男 立正大学, 心理学部, 教授 (90235549)
勝二 博亮 茨城大学, 教育学部, 助教授 (30302318)
岡崎 慎治 筑波大学, 人間総合科学研究科, 講師 (40334023)
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Keywords | 認知神経科学 / 事象関連電位 / 注意欠陥 / 多動性障害 / 単音節語音知覚 / 注意欠陥児 / 選択的注意 / ダウン症 / 低視力 |
Research Abstract |
本年度は、視覚・聴覚・脳機能についての研究をすすめた。 (1)視覚的注意行動関連知見 視能力は視野内の位置によって異なるが、周辺視野においては視力低下が著しい。視野の中心から周辺に向かうにつれ視認知力が低下するが、本年度は脳内中枢でどのように捉えられるかを有効視野と関連させて検討した。その結果、ERP成分に周辺視野での図形認知識別の可否が反映されうることを指摘した。 さらに、図形の認知・識別についての学習が進行するにつれて、ERP波形が変化することを突き止め、視覚学習の進行に伴って、脳では可塑的な変化が生じていることを指摘した。 これらの知見は、発達障害の注意・認知を探る際に、重要な基礎を与えるものであり、このような観点からの支援についても検討を進めてきた。 (2)聴覚的注意行動関連知見 聴覚情報は継時的処理によって遂行されるが、その際、テンポやリズムが重要な要素となる。本年度は、反復音系列を聞いた際のリズム知覚を中心に検討を進めた。その結果、アクセントが含まれない反復音系列において一定程度以上の時間偏位があるとリズムの歪みは検出されるが、アクセントが付加された反復音系列では、その検出が難しくなることを突き止め、それには反響記憶と注意が関わっていることを指摘した。 (3)脳血流計測による機能評価 手を触っている時の脳血流変化を計測し、行動が著しく制約されている超重症児が外界情報をどのように取り込んでいるのかを評価した。その結果、これまで働きかけにたいして何ら反応が認められなかった超重症児でも、脳のレベルでは働きかけに応じて反応していることを明らかにし、支援への有用な情報を提供しうることを指摘した。 さらに、聴覚障害者の手話表出時脳血流変化を計測した結果、手話表出時に上肢運動野のみならず言語関連領域も活性化されることを指摘し、脳血流計測が聴覚障害者の言語機能解明に有用であることを見出した。 この他、ダウン症児とウィリアムズ症候群の発語時の脳血流についても検討した。
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Research Products
(4 results)