Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越谷 重夫 千葉大学, 理学部, 教授 (30125926)
野澤 宗平 千葉大学, 理学部, 教授 (20092083)
杉山 健一 千葉大学, 理学部, 助教授 (90206441)
原田 昌晃 山形大学, 理学部, 助教授 (90292408)
千吉良 直紀 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (40292073)
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Research Abstract |
研究課題に関して,今年度は以下のような研究成果を得た。 1.原田・千吉良との共同研究として進行していた,可移置換群の作用により不変な自己直交符号の研究については,2編の論文が公表され,一定の決着を見た。総論,および,いくつかの散在型単純群に対する実例を計算した論文は,Journal of Algebraに掲載された。またaffine polar graphから得られる長さ64の自己双対符号から順次neighborを取るという方法による符号の構成については,十分と思われる範囲の探索を終了し,いくつかの新しいパラメータの符号の構成を含む結果として,専門誌Designs, Codes and Cryptographyに発表した。このほか,より次数の大きな場合の考察や,群が指数2の単純群を含む場合の考察を進めたが,論文としてまとめるには至っていない。 2.堀口直之(千葉大学博士課程),中空大幸(岡山大学博士研究員)の研究協力を得て,ランク3のグラフの最大の部分空グラフ(coclique)とデザインに関する研究を進めた。結果として,Hall-Janko graphを10次のWitt system,および,4元体上のhexacodeの言葉を用いた再構成を与えるという形で,論文にまとめた。これはEuropean Journal of Combinatoricsに掲載される予定である。次に,Suzuki graphの66点の部分空グラフを構成し,そこからユニタリ群が作用する新しい3デザインの存在を示し,具体的に構成した。さらに,その3デザインからのSuzuki graphの再構成を与えた。これについては,論文としてまとめて投稿中である。また,長さ24のternary codeから得られる5デザインと,Mathieu群が作用する1024次のグラフとの関連を見出し,上記の例と同様のグラフの再構成を与えた。これらについては,論文として準備中である。 3.これまでの研究における,符号・格子と関連する組合せ構造(デザイン・グラフ)との関連について総括し,いくつかの結果についての関連性について考察した。新しい知見を含む部分的な結果を得たが,論文にするには至っておらず,今後に残る課題となっている。
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