2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15340007
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
日比 孝之 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (80181113)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 睦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70215565)
大杉 英史 立教大学, 理学部, 講師 (80350289)
松井 泰子 東海大学, 理学部, 講師 (10264582)
高山 幸秀 立命館大学, 理工学部, 教授 (20247810)
寺井 直樹 佐賀大学, 文化教育学部, 助教授 (90259862)
|
Keywords | ラティスイデアル / トーリックイデアル / グレブナー基底 / 有限グラフ / 隣接行列 / 普遍グレブナー基底 / イニシャルイデアル / 符号理論 |
Research Abstract |
純粋数学と応用数学の両者に深く拘わる0次元ラティスイデアルの普遍グレブナー基底についてその代数的基礎理論を構築し,可換代数と代数幾何への理論的有効性とともに,整数計画,符号理論などへの実践的有効性を多角的に研究することが当該基盤研究の到達目標である.具体的には,トーリックイデアルに付随する0次元ラティスイデアルの普遍グレブナー基底を組合せ論的に探索すること,その普遍グレブナー基底の情報から元来のトーリックイデアルの代数的な構造がどこまで解析できるかを明らかにすること,その普遍グレブナー基底を使って元来のトーリックイデアルに付随する整数計画,符号理論の問題の実践的解決にどこまで貢献できるかを明らかにすることなどが挙げられる.平成16年度は,有限グラフの隣接行列から生起するトーリックイデアルから得られる0次元ラティスイデアルの研究を,平成15年度に得られた成果を踏襲しつつ,総括的に展開した.そのようなトーリックイデアルの代数的組合せ論の基礎は,既に,申請者らが樹立し,たとえば,正規性の条件などは完全に解明されている.平成16年度における第1の仕事は,統計数学に現れる著名なトーリックイデアルについて,その代数的な構造を具象的に探究しindispensable binomialと極小生成系の一意性などの具象的理論を有限グラフのトーリックイデアルの立場から構築した.第2の仕事は,整数計画における計算量についての理論的な側面の研究を継続した.具体的には,輸送問題など有限グラフのトーリックイデアルに付随する整数計画問題にいわゆるGomoryのrelaxationと呼ばれる技巧を使うことが可能なとき,0次元ラティスイデアルの普遍グレブナー基底を使って最適解を探すことが可能であるが,その最適解を探すための計算量を有限グラフの組合せ論を使って評価することを試みた.
|