2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15340013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
花村 昌樹 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60189587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 秀司 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (50153804)
森田 康夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20011653)
金子 昌信 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (70202017)
雪江 明彦 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20312548)
石田 正典 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30124548)
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Keywords | モティーフ / 三角圏 / 分解定理 |
Research Abstract |
1.混合モティーフ層の圏の構成:Sを体κ上の準射影代数多様体とする。S上の混合モティーフ層(mixed motivic sheaves)とそのなす三角圏(triangulated category)を構成した。これは以下にのべるように、いくつかの部分に分かれる。 (1)DG-圏(加法圏でそのHom群がアーベル群の複体であるもの)を一般化した、quasi-DG-圏という概念を考えた。それは、2つ以上の対象の有限列に対しある複体が定義されており(多重Hom複体とよぶ)、これらのHom複体のテンソル積の直和に適当な条件をみたす複体の構造を入れたものである。DG-圏については、そのHom複体のテンソル積をとると自然にquasi-DG-圏をなす。 (2)quasi-DG-圏Cから、三角圏を構成する方法を与えた。その三角圏の対象はC-diagramと呼ばれ、Cの対象の有限列およびそれらのなす多重Hom複体の元で適当なcycle条件を満たすものである。DG-圏から三角圏を構成する方法は以前に私が考えていたものであり、それを一般化した。 (3)S上の代数多様体Xを対象とする適当なquasi-DG-圏Symb(S)を構成した。この構成においてHom複体は、二つの代数多様体X, Yのファイバー積X×_sYのサイクル複体と同値である。X_1,【triple bond】,X_nに対する多重Hom複体はX_1×_sX_2×_s【triple bond】×_sX_nのサイクル複体と同値である。 (4)このquasi-DG圏Symb(S)に(2)の構成を適用し三角圏D(S)を得る。これが混合モティーフ層の三角圏である。 2.Lefschetz束のモティーフ的考察:曲面を全空間とするLefschetz束について、いわゆる分解定理のモティーフ的類似が成り立つことを示した。この場合位相的分解定理が比較的簡単な形で与えられることを使っている。これを更に一般の場合に拡張することを研究している途中である。 3.混合モティーフの三角圏の性質の研究:混合モティーフの圏のテンソル積構造が満たすべき公理(テンソル三角圏の公理)を確かに満たしていることを検証した。 具体的にはテンソル積が持つ、associativity constraintおよびcommutativity constraintを与え、シフト作用素と完全な三角がテンソル積により保たれることを確かめた。
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Research Products
(1 results)