2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15340025
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩瀬 則夫 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (60213287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 正良 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (60038495)
佐伯 修 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (30201510)
角 俊雄 九州大学, 大学院・芸術工学院, 助教授 (50258513)
小田 信行 福岡大学, 理学部, 教授 (80112283)
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Keywords | 特異点 / L-Sカテゴリー / Lie群 / 球面束 / 高次Hopf不変量 |
Research Abstract |
L-S categoryは、多様体上のC^∞-関数の特異点の個数の下限を与えるホモトピー不変量として、LusternikとSchnirelmannにより定義され、Takens, Ganeaらにより多くの性質が明らかにされても、なお、van MillとM.Reedの「Open Problems in Topology」にも挙げられた、次の二つの基本的な問題が残されていた:[Problem642](Ganea予想)位相空間のL-S categoryは、球面との直積をとることで1増えるか?[Problem643]閉多様体のL-S categoryは、once punctured部分多様体のL-S categoryより大きいか? 高次のホップ不変量を射影平面上で考えることにより、L-S categoryが1増えるための障害を与えることに成功した。これを用いることで、Problem642として挙げられるL-S categoryについてのGanea予想が成立する為の条件を高次のホップ不変量により記述した。その結果として、直積を取る球面の次元が特定の多様体の族に対してある値を越えると、Ganea予想が成立しなくなることを発見した。この議論をStanley, Strom両氏と共同でさらに一般化し、Ganea予想の反例となる位相空間に対しては、常に同様の現象が成立することが示された。これはL-Sカテゴリーの安定化の予想への第一歩となるものである。 さらに球面上の球面拡大として与えられる多様体に対するL-S categoryを完全に決定し、その結果としてProblem643の反例が構成されるとともに、Ganea予想の反例となる多くの多様体が見いだされた。 最近になってfibre束の全空間のL-S categoryについての新しい上限を与える公式を発見し、これを用いてLie群に対するL-S categoryの計算を岡山大学の三村護氏、近畿福祉大学の西本哲氏と共同で行った。また、京都大学の河野明氏との共同研究により、この方法に高次ホップ不変量の考えを組み入れることでもう一段進んだ評価式を得ることに成功するとともに、新しい下限を与える計算可能な不変量を定式化することに成功した。この新しい不変量を効果的に使用することで、新しい知見が得られるものと期待している。
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Research Products
(6 results)