2004 Fiscal Year Annual Research Report
数理流体問題における低次元的な解の数値解析と数学解析
Project/Area Number |
15340034
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中木 達幸 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (50172284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福本 康秀 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (30192727)
鈴木 厚 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助手 (60284155)
大森 克史 富山大学, 教育学部, 教授 (20110231)
服部 裕司 九州工業大学, 工学部, 助教授 (70261469)
坂上 貴之 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10303603)
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Keywords | 渦糸の緩和振動 / 球面上の渦糸 / 渦輪の非線形不安定性 / らせん渦 / 理想MHDの数値解析法 / 移動・自由境界問題 / フラックス・フリー有限要素法 / ベクトル化 |
Research Abstract |
1.流体に発生する渦に関して、次の結果を得た。 (1)すでに知られている5つ、および、3つの渦糸の緩和振動に加え、4つの渦糸についても緩和振動が起こる状況を発見した。 (2)渦巻螺旋構造の先の時間発展について調べるために、系を縮約してN個の渦糸が同一緯線上に並ぶ渦糸系(N点渦糸環)の問題を考えた。線形安定性解析から始めて、N点渦糸環が不安定化したあとに、どう時間発展をするかを調べた。 (3)ハミルトン力学系のスペクトル理論を頼りにして、Kelvinの渦輪の新しい不安定メカニズムを発見した。 (4)理想MHD流れについて、軸対称性などの仮定の下でcontour dynamicsによる定式化を導き、これを用いた数値解析法を提案した。 2.移動・自由境界も持つ流体問題に関して、次の結果を得た。 (1)多孔質媒体の中の流れに現れる移動境界を数値的に捉えるための手法を開発して、その性質を研究した。 (2)表面張力による界面運動を記述するAllen-Cahn型の数理モデルに対して、劣微分の表現定理・比較定理・変分構造などを利用した数学的解析手法を開発した。 3.混ざらない非圧縮性の2流体問題に対する質量保存性の高いフラックス・フリー有限要素法について、変分定式化の数学的正当性を明らかにし、定常問題の近似問題の可解性の証明および誤差評価を通して、本手法の数学的性質を明らかにした。また、ステップ流れやスロッシング問題などの数値実験により、本手法の有効性を示した。 4.流体問題に対する有限要素法について、計算領域が対称性をもつ場合、合同な部分領域への分割を行い、要素分割に大域的な反復構造を導入することでメモリーへの連続アクセスが可能な節点自由度の番号付けを行い、ベクトル化手法を構成した。
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Research Products
(6 results)