2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15340039
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
尾畑 伸明 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10169360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日合 文雄 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (30092571)
浦川 肇 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50022679)
洞 彰人 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (10212200)
有光 敏彦 筑波大学, 物理学系, 教授 (50134200)
齊藤 公明 名城大学, 理工学部, 教授 (90195983)
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Keywords | ホワイトノイズ理論 / 量子確率論 / 量子ホワイトノイズ / 量子分解 / 量子中心極限定理 / レヴィ・ラプラシアン / 散逸量子系 / グラフのスペクトル |
Research Abstract |
伝統的な確率解析の枠組みではブラウン運動B(t)が基礎になるが、本研究の出発点はブラウン運動をさらに分解(量子分解+時間微分)して得られる「量子ホワイトノイズ」にある。量子ホワイトノイズは超関数を用いて定式化され、その「非線形理論」を構築することで従来の範疇では扱うことのできない確率微分方程式を扱う。また、量子成分の非可換性に注目し、代数的構造を追究することで「非ガウス拡張」を発展させる。今年度は、個別的な共同研究に加えて、課題探索のためのワークショップの開催や国際会議などにおける研究発表を行った。具体的な項目と研究概略は以下の通り。(1)非線形ホワイトノイズ方程式:量子ホワイトノイズを基礎とする作用素論を発展させた。特に、新しく導入された作用素微分の性質を調べ、量子マルチンゲールの表現定理への応用を議論した。(2)複素ホワイトノイズ:シーガル・バーグマン空間を中心に、核型性を用いることなくS変換と作用素シンボルの特徴づけ定理を証明した。(3)レヴィラプラシアンとホワイトノイズの高次べき:異なる計量に基づくレヴィラプラシアンを導入し、熱方程式の解の性質を調べた。(4)多モード相互作用フォック空間と非ガウス型確率過程の量子分解:大きなグラフの漸近的スペクトル解析において新しい極限分布を見出した。さらに複雑なグラフにアプローチするため多変数直交多項式論の見直しを始めた。(5)無限次元調和解析への応用:量子ホワイトノイズによる作用素展開定理をベクトル値の場合に拡張し、無限次元群のユニタリ表現論への応用を検討している。(6)物理への応用:散逸系を記述する量子確率微分方程式・乱流における統計性・グラフ上のボーズ・アインシュタイン凝縮などを接点として物理学者との研究交流を推進した。
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Research Products
(21 results)