2003 Fiscal Year Annual Research Report
偏微分方程式の解に時間依存の特異点が現れる諸問題の数理解析
Project/Area Number |
15340041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小俣 正朗 金沢大学, 理学部, 助教授 (20214223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 博 金沢大学, 理学部, 助教授 (80188440)
後藤 俊一 金沢大学, 理学部, 助教授 (30225651)
一瀬 孝 金沢大学, 理学部, 教授 (20024044)
木村 正人 九州大学, 数理科学院, 助教授 (70263358)
岩崎 宏 金沢大学, 理学部, 助教授 (30242514)
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Keywords | 変分問題 / 非線形偏微分方程式 / 特異点 / 数値解析 / 最小化法 / 自由境界問題 |
Research Abstract |
変分問題の数値解析を中心に研究を行ってきた。現在数値解析プログラムの一部が完成した。 結晶成長を記述する方法として有望であると思われる。研究は補助金のおかげと、研究分担者の協力により、順調な進捗を見せている。 まず、双曲型自由境界問題で、数値解析方法を開発した。また、近似方程式の弱解の構成も空間次元が1の場合に見通しが立った。この問題は、物理的なイメージとしては、石鹸膜が水面にふれている問題と考えられる。その振動を解析するのが目標である。汎関数に極小局面のモデルを用いるとそれ自体の振動方程式がうまく解けないので、ここではディリクレ積分を主要行にしている。今までは、菊地・小俣の1次元での強い解の存在が、あるcompatibility conditionの元で知られていただけである。 また、多重ポテンシャル井戸が現れる変分問題について進捗があった。変分問題としては、主要項がデリィクレ積分と同等で、非線形項として多重ポテンシャルを持つものにあたる。均等な3重井戸を持つ場合について数値計算を行った。結論は(1)3重点の角度は常に優先されるように見える。(2)それ以外では長さを極小にする流れである。(3)蜂の巣構造の極小解が存在する。(4)蜂の巣構造は、局所安定に見える(5)構造を一つの六角形について崩すと、全体が崩壊する(熱方程式)などの事実が分かった。 以上の成果を、学術誌掲載(予定も含む)6報にまとめることができた。 今後の課題として、より高次元の問題への対処、より特異性の高い問題への拡張、安定性の議論などの整備が考えられる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Jimbo, S.Kosugi: "Approximation of eigenvalues of elliptic operators with discontinuous coefficients"Comm. Partial Differential Equations. 28. 1303-1323 (2003)
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[Publications] S.Jimbo, J.Zhai: "Instability in a geometric parabolic equation on convex domain"J.Differential equations. 188. 447-460 (2003)
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[Publications] S.Omata, H.Iwasaki, K.Nakane, X.Xiong, M.Sakuma: "A.numerical computation to the American option pricing via the discrete Morse flow"Theoretical and Applied Mechanics. 52. 261-266 (2003)
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[Publications] S.Jimbo: "Singular perturbation of domains and semilinear elliptic equations III"Hokkaido Math.J. 33. 11-45 (2004)
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[Publications] S.Omata: "A numerical treatment of thin film motion with free boundary"Adv.Math.Sci.Appl., 14,. 14(to appear). (2004)