Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河内 明夫 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00112524)
佐官 謙一 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70110856)
野口 潤次郎 東京大学, 大学院・数・理科学研究科, 教授 (20033920)
松本 幸夫 東京大学, 大学院・数・理科学研究科, 教授 (20011637)
志賀 啓成 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10154189)
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Research Abstract |
リーマン面の正則族のモノドロミーの研究に関連して,次のような研究成果を得た. (1)解析的有限な(g,n)型の双曲的リーマン面Sに対して,2元複素多様体B={(x,y)∈S×S|x≠y},3元複素多様体M={(x,y,z)∈S×S×S|x≠y,y≠z,z≠x},および射影π:M→Bを考えれば,B上の(g,n+2)型のリーマン面の正則族(M,π,B)が得られる.この正則族のモノドロミーのタイプをBersとThurstonによる方法で完全に分類することができた. (2)上の(1)の結果を一般の次元に拡張することができた。 (3)リーマン面の正則族(M,π,S)に対して、2次元複素多様体Mの普遍被覆空間M^^〜の形を決定する問題を考察した.主結果としては,(i)M^^〜は強擬凸領域と双正則同値にならない,(ii)M^^〜は一般には多重円板と双正則同値にならず,また多重円板と双正則同値同値になるための必要十分条件も与えたことが挙げられる. (4)穴開き円板上のリーマン面の正則族のモノドロミーは負型の擬周期写像になるが,逆に,負型の擬周期写像が与えられたとき,それをモノドロミーに持つ,リーマン面の正則族が存在するという定理(松本-Montesinosの結果)の新しい証明を与えた.この証明法によれば,このようなリーマン面の正則族全体の構造を解析することもできる.この証明法の論文は執筆中である.
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