2005 Fiscal Year Annual Research Report
関数体上のディオファントス問題とタイヒミュラー空間に関する研究
Project/Area Number |
15340049
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
今吉 洋一 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30091656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河内 明夫 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00112524)
小森 洋平 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70264794)
野口 潤次郎 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (20033920)
松本 幸夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (20011637)
志賀 啓成 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10154189)
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Keywords | リーマン面 / 正則族 / モノドロミー / 写像類群 / タイヒミュラー空間 / 関数体 / ディオファントス問題 |
Research Abstract |
本研究の主目的は関数体上のディオファントス問題にタイヒミュラー空間を応用することである。すなわち、リーマン面R上の有理型関数体Kの元をa_<ij>を係数とする不定関数方程式P(x,y,t)=Σ_<i,j>a_<ij>(t)x^iy^j=0の有理関数解(x(t),y(t))∈Kを考察することである。特に、Riemann面の理論を使って、複素解析的および幾何的な考察をする。つまり、任意の複素数tに対し、Riemann面S_t={(x,y)∈C^2|P(x,y,t)=0}を考えれば、Riemann面の正則族{S_t}_tが得られ、有理関数解はこの正則族の正則切断と見なせる。本年度は、小平邦彦氏のアイディアに基づいて、4点穴開きトーラスR上の、種数2の閉リーマン面の正則族を構成し、その正則切断を完全に決定することに成功した。また、この正則族に対応する、不定関数方程式P(x,y,t)=Σ_<i,j>a_<ij>(t)x^iy^j=0をテータ関数によって具体的に表現することもできた。このことから、ファイバーS_tの双正則同値性や、パラメータt∈RがRの境界点t_0に収束したときの、ノード付きのリーマン面S_t_0の形も完全に求めることができた。具体的な正則族について、ここまで詳細に考察が行われたのは初めてのことと思われる。この研究をモデルにして、もっと一般の小平曲面から定まる、リーマン面の正則族に対して、同様な研究を始めたところである。また、さらに一般の場合の研究の指針にもなるものと大いに期待できるものである。上記の研究成果は、「The 13th International Conference on Finite or Infinite Dimensional Complex Analysis and Applications」(Shantou University), 「Workshop on Diophantine Problems over Function Fields and Related Topics」(東京大学大学院数理学研究科)、「NZ-Japan Knot Theory Conference」(The University of Auckland, New Zealand)の国際会議で発表し、Proceedingsに論文を投稿した。また、詳細な論文を執筆中である。
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Research Products
(16 results)