2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15340050
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
谷 温之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90118969)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 紀夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80090041)
下村 俊 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00154328)
石川 史郎 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (10051913)
野寺 隆 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (50156212)
高山 正宏 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (90338252)
|
Keywords | Navier-Stokes方程式 / 非ニュートン流体 / 滑り境界条件 / Euler方程式 / 自由境界問題 / クラック伝播問題 / ZK方程式 |
Research Abstract |
連続体基礎方程式系の中,平成16年度得られた研究成果は以下の通りである. 非圧縮性ニュートン流体方程式の定常問題で,境界上で閾値滑り条件,すなわち,境界上でのストレスが或る値を越えると滑り,それ以下では粘着条件をみたす解が一意に存在することが証明された.滑り境界条件はとりわけ非ニュートン流体に対して重要であるが,非ニュートン流体の中でセカンドグレイドと呼ばれる流体の定常流が,Navierが既に提唱していた滑る境界条件を一般化した条件「境界の状態に応じてある場所では滑り,ある場所では粘着している」の下で,一意に存在することを示した.これまで非ニュートン流体に対して滑り境界条件が重要であると言われながら,数学上何等結果が無かった.この結果が最初である. 非圧縮性非粘性流体の自由境界問題にNash-Moser陰関数定理のPlotnikov versionを適用すると,古くから知られているGerstnerの特殊解のまわりの小さい解及び3次元における解が構成できることを示した.これらも初めての結果で,現在フルペーパーを準備中である, 半無限クラックのある無限帯状領域における弾性あるいは粘弾性媒質の定常問題の可解性とクラックの伝播について考察した.また同じ幾何形状を持つ媒質の非定常問題も考察し,その弱解の存在を証明した. この他,次の結果が得られていて,現在論文にまとめている. 2次元角領域におけるStokes方程式に対して,境界条件がストレスフリーと完全滑り条件を満たす解の存在. 一般Navier滑り条件をみたすNavier-Stokes方程式の定常解の存在とその安定性. 非線形音響学における基礎方程式とその近似方程式であるZK方程式の小さい時間大域解の一意存在.
|
Research Products
(6 results)