2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15340055
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宍倉 光広 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70192606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 哲生 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10127053)
谷口 雅彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50108974)
稲生 啓行 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00362434)
宇敷 重廣 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (10093197)
木坂 正史 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (70244671)
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Keywords | 複素力学系 / ジュリア集合 / くりこみ / 超越整関数 / 放物型不動点 / タイヒミュラー空間論 |
Research Abstract |
宍倉と稲生は放物型および近放物型不動点に関連するくりこみの研究を引き続き行った。くりこみの数学的扱いにおいては、不変な写像の空間を設定し、そこでのくりこみの作用の縮小性を示すのが、重要なステップとなる。放物型くりこみについては、既に不変な空間が分岐被覆による特徴付けにより得られていたが、縮小性を与える原理は発見されていなかった。また、近放物型への摂動によっても大きくずれが生じ、そのままでは近放物型への応用は不可能な状態であった。昨年度からの引き続きの研究では、新たにより大きな不変関数空間を発見し、タイヒミュラー空間論と結びつけることにより、くりこみの縮小性(および不動点の存在)を示すことに成功した。その課程では、コンピュータを用いた数値評価を用いた。谷口は、構造有限な超越整関数(Maskit手術により2次多項式と指数関数からえられるもの)のジュリア集合について常にハウスドルフ次元が2になることを証明した。宍倉と木坂は、擬等角手術を用いて、2重連結な遊走領域をもつ超越整関数を構成し、同様の構成法を用いて遊走領域に関するBergweilerの予想の反例を与えた。辻井は、Buzzi、Sesterとともに、2次多項式の歪積の力学系についてエルゴード理論的性質を研究し、ルベーグ速度に絶対連続な不変測度の存在を示した。宍倉は、2次多項式のYoccoz puzzle分割とその組み合わせ的解析を用いて、ルベーグ速度に絶対連続な不変速度を持つ実2次多項式のパラメータ集合に関するJaconsonの定理の弱い形を簡明に証明する方法を得た。
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Research Products
(7 results)