2004 Fiscal Year Annual Research Report
3次元輻射磁気流体力学シミュレーションによる初期原始星進化の研究
Project/Area Number |
15340062
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
花輪 知幸 千葉大学, 先進科学教育センター, 教授 (50172953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富坂 幸治 自然科学研究機構国立天文台, 理論研究部, 教授 (70183879)
松本 倫明 法政大学, 人間環境学部, 助教授 (60308004)
犬塚 修一郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80270453)
牧野 淳一郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (50229340)
中本 泰史 筑波大学, 物理学系, 講師 (60261757)
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Keywords | 星形成 / 数値シミュレーション / 磁気流体 / 輻射輸送 / 原始星 |
Research Abstract |
本研究課題では、円盤・伴星(あるいは巨大惑星)を伴う3次元的な構造をもつ原始星の進化を、自己重力・磁場・輻射輸送を考慮した数値シミュレーションにより明らかにすることを目的として、研究を進めてきた。また研究基盤を整えるという観点から、数値シミュレーションで重要な微分方程式の数値解法や数値データの解析・可視化の技術についてまとめたハンドブックを発行し、関係機関に配布するとともに、千葉大学・宇宙物理学研究室よりインターネットを通じて公開した。 本年度に得られた主な知見は次の通りである。 1.自転軸に対して斜めの磁場に貫かれた分子雲コアの重力収縮を3次元数値シミュレーションし、磁場と回転の軸が動的な時間尺度で揃うことを示した。この結果は、ひとつの星形成領域でアウトフローの方向は大局的な磁場の方向に揃うことを示唆する。 2.一つの連星に所属する主星と伴星では、主星のほうがガス降着率が高くなることを、空間分解能の高い数値シミュレーションにより示した。これは伴星のガス降着率が高いために、連星の質量比は1:1に近づくという定説を覆す知見で、星の質量分布を考える上で重要な指摘である。 3.宇宙初期の化学組成をもつガスの重力収縮を3次元シミュレーションし、初代星(種族III)でも連星の形成頻度が高いことを示唆する結果を得た。 4.1次元輻射輸送シミュレーションを行い、超新星爆発により周囲のガスが電離・圧縮されると、1万年後に圧縮された分子ガス雲より次世代の星が形成されることを示した。
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Research Products
(19 results)