2003 Fiscal Year Annual Research Report
超大口径電波望遠鏡を目指した多周波レンズ面基礎実験
Project/Area Number |
15340067
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
近田 義広 国立天文台, 電波天文学研究系, 教授 (30126122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中平 勝子 長岡技術科学大学, eラーニング実践センター, 助手 (80339621)
春日 隆 法政大学, 工学部, 教授 (70126027)
川口 則幸 国立天文台, 地球回転研究系, 教授 (90214618)
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Keywords | 電波天文学 / 電波望遠鏡 / アンテナ / レンズ / 衛星搭載アンテナ |
Research Abstract |
電波望遠鏡の大きさは現在、限界にきている。観測波長の約1万倍を越える口径の望遠鏡は、重力、風、温度分布の不均一に抗して鏡の面精度を波長の10分の一以下という精度に保つことが出来ない為である。受信機の感度も物理的な限界に近づきつつある現在、より大きな集光面積を実現できなければ、21世紀の電波天文学は壁に突き当たってしまう。 自動車のルームミラーは車が揺れると揺れて,鏡を通して見えている景色もガタガタ揺れる.しかし,眼鏡は鼻の上で多少揺れても眼鏡レンズを通して見えている景色は大して揺れない.つまり,反射望遠鏡の凹面鏡の支えに比べ,透過型の望遠鏡のレンズの支えはいい加減でよい.焦点とレンズ中心を結ぶ直線さえ正しく目的天体の方を向いていれば多少レンズが傾いてもいいし、対称性から考えて折れ曲がったり、あるいはグニャグニャに曲がっていてもいい-即ち面精度もいい加減でよい.これがレンズの優れている点である。 我々は、レンズを薄膜上の導体共振器が共振周波数の両側で位相を進めたり遅らしたりする性質を利用し、非常に軽くてかつ、巨大口径を実現しやすいアンテナ方式確率を目指している。 今年度は各種共振器を縦横に繰り返したパターンを薄いフレキシブル基板上に形成し、電波無響室を使って、透過率、移相量を周波数を変数にして測定した。これまでに調べたクロス・ダイポールだけでなく、リング状の共振パターンもテストして、良好な結果を得つつある。良好である理由について考察を加えつつある。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tsuboi, M., et al.: "Cosmological Constant with Sunyaev-Zel' dovich Effect towards Distant Galaxy Clusters"ASP Conf.Ser.289:The Proceedings of the IAU 8th Asian-Pacific Regional Meeting. 1. 255-258 (2003)
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[Publications] Honma, M., et al.: "First Fringe Detection with VERA's Dual-Beam System and Its Phase-Referencing Capability"Publications of the Astronomical Society of Japan. 55. L57-L60 (2003)