2003 Fiscal Year Annual Research Report
LHC-ALICE実験PWO結晶電磁カロリメータ読み出し系の開発
Project/Area Number |
15340079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
杉立 徹 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80144806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜垣 秀樹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (90114610)
本間 謙輔 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40304399)
志垣 賢太 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70354743)
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Keywords | タングステン酸鉛結晶 / PWO結晶 / 高分解能PWO電磁カロリメータ / アバランシェ光素子 / クォーク物質 / ALICE実験 / APD素子 / PHOS検出器 |
Research Abstract |
CER『N研究所LHC加速器における超高エネルギー原子核衝突ALICE実験を準備する。現在遂行するRHIC加速器を用いた研究と比較して到達エネルギー密度を5倍も上昇させる次期研究において、最も重要な物理信号は超高温度クォーク物質が熱輻射する光子である。この光子を測定するために、私たちは、ALICE実験環境において最高性能を発揮するタングステン酸鉛単結晶(以下PWOと略す)電磁カロリメータ(以下PHOSと略す)を開発する。本研究は、PWO結晶が発する極微量の蛍光を高精度で検出する光学読み出し系の開発を目的とする。光学素子には、日本の技術が世界のトップを切り開くアバランシェ光半導体素子(浜松ホトニクス社S8664-55)(以下APDと略す)の採用を決定した。さらに、同APD素子に最適化した表面実装型の前置増幅器を設計し、600個を国内製作会社で試作した。APD素子と前置増幅器をPWO結晶と組み合わせた試作検出器を広島大学VBL施設・超高速電子周回装置の引き出し電子線ビーム(150MeV)を用いて性能評価を行った。さらに、研究協力者であるクルチャトフ研究所グループおよびCERN研究所グループと協力し、同前置増幅器とAPD素子256組を載せたPHOS実証機をCERN研究所に構築し、SPS加速器テストビームを使った性能評価実験を実施した。その結果、相対エネルギー分解能σ/E=(3.6±0.2)%/【square root】E【symmetry】(1.1±0.3)%【symmetry】(13±0.7)MeV/Eとする世界最高レベルの高分解能を達成することに成功した。さらに、70GeVの荷電粒子ビームを銅原子核標的に入射し生成される光子を測定した。2光子崩壊する短寿命粒子の質量分布を計算し、7%の質量分解能で中性パイ中間子、3%の分解能でη中間子の観測に成功した。これより、APD素子および前置増幅器は、当初の性能に十分達成することを実証した。
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